現在、何か商売をしようとするならば、オンラインストアがまず必須とも言えます。特に、新型コロナで人波が途切れている場合は、なおさらです。

オンラインショッピングとは、顧客がWebブラウザやモバイルアプリなどを利用して、インターネット上で製品やサービスを直接購入できる、電子商取引(Eコマース)の一形態です。

そして、Eコマースでの商品販売をしているWebサイトが、EコマースWebサイトです。EコマースWebサイトは、Eストア、インターネットショップ、Webショップ、Webストア、バーチャルストア、そして、オンラインストアと呼ばれることがあります。特に、「ネットショップ」という日本語が、日本だけでよく使われています。あるいは「ECサイト」と言われることもあります。

ここでは、オンラインストア、ネットショップをつくり、インターネットで製品やサービスを販売していく方法を、ステップに沿って順に説明していきます。

オンラインストアを始める前に

どのようなプロジェクトにも当てはまりますが、何かをつくり始める前には、基礎的なことを考えてから行う必要があります。

1. 顧客基盤はあるか

オンラインストアやネットショップを始めるには、その規模にも左右されますが、特に時間的な投資が必要になります。すでにマーケットプレイスに出品しているのでしたら、顧客基盤はある程度整っているでしょう。販売パイプラインに顧客がいることで、新たにネットショップを立ち上げるリスクが減り、リターンが期待できます。

新たに顧客基盤をつくっていくのでしたら、顧客獲得の計画を含む、入念な準備が必要となります。

2. ニッチな商品はあるか

大手が狙わないような小規模な領域、すなわちニッチな市場に嵌る、独自の製品やサービスを提供できるでしょうか。市場に埋もれてしまう商品ですと、収益を上げるまでに大きな壁を乗り越えなければなりません。競合と差別化された独自製品やサービスを提供できなければ、Eコマースマーケティングを行おうとも、無駄になってしまいます。

3. ブランドに一貫性はあるか

デジタルマーケティングのチャネルをすべて揃えるのと同様に、オンラインストア、ネットショップでも、トーンやビジュアルを統一して、一貫性を保たなければなりません。

オンラインストアを含め、ブランドの一貫性が保たれていなければ、顧客はスムーズな購買体験ができません。

オンラインストア構築の6ステップ

以下のステップに沿って、一歩ずつオンラインストア、ネットショップを構築していきます。

1. マーケティング計画を立てる

オンラインストア、ネットショップの構築を始める前に、ビジネスの計画やマーケティング計画を立てなければなりません。これは、オンラインストアを構築する上での、すべての手順や選択肢を決めるものです。

生産コストはどのくらいか、どのようなマーケティング戦術を採り入れ優先させるのか、従業員を雇う、あるいは外部に委託する必要があるのか、資金調達を行うのか、などを検討しなければなりません。

マーケティング計画立案のヒント

マーケティング計画を立てる際には、これから開設するオンラインストア、ネットショップの具体的な内容を把握しておきます。

計画を進める
計画には、立ち上げ時の準備も含まれています。顧客対応がおろそかにならないよう、カスタマーサービスのスキルを習得しておくなど、売ること以外にも注目します。
自社の弱みを知る
オンラインストア、ネットショップの構築に、IT系プログラマやエンジニアなど開発者を雇ったほうが、良い投資になるかを検討します。

2. Eコマースプラットフォームの調査と選定を行う

Eコマースプラットフォームには、様々な選択肢があります。優れたオンラインストア用のプラットフォームは数多くありますが、自社の求めている仕様に最も近いものを選ぶようにします。

Eコマースプラットフォーム選択のヒント

闇雲にリストから選ばず、以下のヒントを参考にします。

探す前に予算を決める
月数百円から月数万円以上にわたり、様々な予算に対応できる選択肢があります。まずは予算に合わせて選択肢を絞り込みます。
ユーザーレビューを参考にする
そのプラットフォームが、自社が必要とする機能などを備えているかどうかは、商品説明を見たり、デモを試用するのがよいですが、使いこなせるかどうかは、実際に使っている利用者のレビューが参考になります。

3. ドメインを登録する

ドメインは、Eコマースプラットフォームを契約する際に同時に契約できる場合が多いのですが、そうではない場合もあります。いずれにしろ、独自ドメインはオンラインストア、ネットショップの信頼に関わるものですから、必須です。

ドメイン登録のヒント

ドメイン登録の際には、以下を参考にしてください。

わかりにくい名前にしない
ショップ名に合わせるのはもちろんですが、長すぎたり覚えにくい命名は避けるべきです。ドメインが取得できるかどうかは、バリュードメインなどで購入前に検索できます。
予算に合わせて選ぶ
ドメイン名は、「.com」や「.net」などのトップレベルドメインによって、価格が異なります。「.com」や「.net」は年間1,000~1,500円程度と安いですが、「.media」「.money」などは若干高く、「.game」や「.inc」などは高額です。

4. Webサイトのデザインを決める

ドメインを登録し、Eコマースプラットフォームを導入後は、デザインや構成を決めなければなりません。大抵のプラットフォームには、デザインテーマが提供されていますので、まずはテーマを選定し、細かい部分を変更していけばよいでしょう。

よっぽど凝った独自のデザインにしたいのなら別ですが、デザイナーに依頼するまでもなく、自社である程度は簡単にできてしまいます。

特定商取引法の表記、個人情報保護方針、配送、支払い、会社概要などのページも必要ですので、Webサイトのページ構成を設計後に、構築を始めます。

Webサイトデザインのヒント

Webサイトのデザインは、色々と考えなければならないことがあります。以下のヒントを参考にしてください。

ブランドの統一感を重視する
細部に拘りすぎず、ブランドとしての統一感を重視して、ロゴやブランドカラーなどで構成していきます。
テンプレートを活用する
一からつくらず、最大限テーマやテンプレートを使って構築していきます。Web制作者に依頼する場合、デザインをつくりコーディングをし、という効率の悪い方法をつかってくる場合が多いので、依頼する際には注意します。

5. テストをする

公開前には、不具合はないか、特にカートや決済に注目して、テストをします。顧客にとって使いにくいWebサイトだと、売上に直接の悪影響をもたらしますので、ユーザービリティの観点からも検証します。

また、社外にもテストを依頼したほうがいいでしょう。フリーランスでオンラインストア、ネットショップを運営しようとする人は、友人や家族に頼んでみるのもよいでしょう。

テストのヒント

テストを行う際は、以下の点に注意するとよいでしょう。

顧客は間違うと前提する
オンラインストア、ネットショップの利用者が失敗することを想定してテストをします。できるだけ意地悪く使うことで、修正すべき点を洗い出せます。
他人の目でテストする
自社だけでのテストは限界があります。というのも、実際につくっている自分は、Webサイトの購入などの流れを理解しており、どのように使うとよいかがわかっているからです。可能な限り、初めてWebサイトを使う他部署や他人の手を借りてテストをします。

6. オンラインストアを宣伝する

オンラインストア、ネットショップ公開後は、販売につなげるために、情報を発信する必要があります。インバウンド、アウトバウンドを問わず、様々なマーケティング戦略がありますが、ステップ1で作成したマーケティング計画を実行に移します。

オンラインストア宣伝のヒント

マーケティングには様々な手法があり、いくつかを試しつつ、効果の出る施策に絞り込んでいくべきでしょう。

チャネルを絞り込む
マーケティング戦術をひとつだけ選んでも、それが成功するとは限りません。検索エンジン広告、SNS広告、ニュースレター、電子メールなど、いくつかの方法で宣伝していきます。メッセージは、どのようなチャネルを使おうとも、一貫性を持たせなければなりません。
電子メールマーケティングを活用する
オンラインストア、ネットショップでは、電子メールによるニュースレターがよく使われます。よく使われるということは、効果があるということです。顧客とのつながりを維持し続けるために、電子メールマーケティングを採り入れるべきでしょう。

コンバージョンに到達させる5ステップ

顧客が商品を購入するなどコンバージョンに至るまでのシナリオは、ぜひとも準備しておくべきです。コンバージョンファネルをつくっておくことで、販売の改善を行いやすくなります。

コンバージョンファネルは、マーケティングファネルのうち、「認知」「検討」「購入」までの3段階となります。コンバージョンファネルのことを、セールスファネルとも言います。

マーケティングファネル
コンバージョンファネルは、マーケティングファネルの「コンバージョン(購入)」までとなります。

1. リードを獲得するためにWebページを設計する

顧客ライフサイクルの最初の段階で、リードとしての顧客を獲得することが、Eコマースビジネスの最初の重要な一歩となります。リードはファネルの第2段階以降となり、IQL(Information Qualified Lead)、MQL(Marketing Qualified Lead)、SQL(Sales Qualified Lead)といった種類に分けられます。

オンラインストアやネットショップの情報を認知させた後、次のリードの段階に移行させるには、顧客にとって価値をもたらす何かしらの理由がなければなりません。

リード獲得のためのWebページ設計のヒント

リードを獲得するためのWebページ設計とはどのようなものでしょうか。それはすなわちWebページをデザインするということです。

「デザイン」といっても、表面の飾り、「見た目」をどうするかということではありません。デザインとは、問題を解決するための思考や概念を組み立てて表現するということですから、リードを獲得するための思考や概念を組み立てて表現すればよいということになります。

デザイナーに依頼する場合は、「デザイン」とは何か、「デザインする」とは何かをわかっている人に依頼すべきです。論理的思考、批判的思考ができるデザイナーに仕事を任せましょう。

顧客の注目を集める
多くの顧客は、様々なオンラインストアやネットショップを見て回っています。そして、どの店舗も、顧客を獲得しようとしています。ですので、他社を調査し、リードを獲得するために何をしているのかを確認するのは、非常に役立ちます。
目的を達成するために何をすればばよいかを考える
リードを獲得するためには何をすればよいでしょうか。デモを提供するとよいでしょうか。顧客に役立つ電子書籍やブログ記事を提供すればよいでしょうか。顧客の問題解決に役立つコンサルティングを行うとよいでしょうか。具体的な顧客の行動を念頭において、デザインします。

2. トラフィックを増やす

Webページの準備ができたら、次のステップは、そのWebページにトラフィックを集めることです。Webページへのアクセス数が多ければ多いほど、これに比例してリード獲得数も多くなります。

トラフィック増加のヒント

検索エンジン最適化(SEO)か、それとも検索エンジンマーケティング(SEM)か、あるいは、有料広告かアフィリエイトか、費用対効果を考慮して対策を講じます。

検索エンジン最適化(SEO)を進める
検索エンジン結果ページ(SERP)の上位に表示されればされるほど、多くのトラフィックを獲得できます。大抵のEコマースプラットフォームには、SEOツールが付属していますので、それを有効活用します。ただし、ツールだけでは不十分のこともありますので、コンテンツマーケティング戦略などを使い、検索エンジン対策を進めます。
モバイルに最適化する
Webサイトによってその割合は左右されますが、スマートフォンなどのモバイル端末からWebサイトを閲覧する人は多いので、モバイル対応は必須です。むしろ、モバイル向けを優先してモバイルユーザーに使いやすいように構築し、アクセスを逃さないようにします。

3. メールアドレスを獲得する

優れたマーケティング計画には、顧客との接点を確保するために、顧客のメールアドレス獲得が含まれています。もちろん、電子メールでのアプローチではなく、電話でもLINEでもよいのですが、キャンペーンを組みやすいのは電子メールでしょう。

電子メールにしろLINEにしろ、顧客は自分の情報を提供するのに抵抗を持ちますので、情報獲得には工夫が必要となります。

メールアドレス獲得のヒント

顧客の疑念や抵抗感を解消するために、いくつかのヒントを紹介します。

等価以上の交換をする
顧客のメールアドレスを獲得する代わりに、何かを提供します。ダウンロードできるコンテンツ、クーポンなど、メールアドレスを提供してもよいと思ってもらえる有益なコンテンツを提供します。
ニュースレターを配信する
最も一般的に普及している方法は、ニュースレターの購読です。顧客は有益な情報を得られ、オンラインショップ、ネットショップの運営者は、電子メールリストを得られます。

4. 電子メールマーケティングを行う

キャンペーンや新製品情報の他に、販売に直接関係のない顧客に役立つコンテンツを提供すると、顧客リストが長持ちします。送信した電子メールを見てもらえるように、どうやって記憶に残すかも重要です。

電子メールマーケティングのヒント

以下のヒントを参考に、電子メールマーケティングを最大限に活用します。

電子メールマーケティングカレンダーを作成する
迷惑メール、スパムメールとされてしまわないよう、タイミングを計って送信します。毎日のように電子メールを送っていると、迷惑がられがちですし、滅多に送らないでいると、忘れられてしまいます。電子メールマーケティングのコンテンツカレンダーを作成して、計画に沿って送信していきます。
目的意識を持つ
内容のない電子メール、価値のない電子メール、一方的な宣伝だらけの電子メール、いずれにしろ、顧客に無益な電子メールを送るべきではありませんが、その電子メールをきっかけとして、顧客に何をしてもらいたいかを明確にしておきます。つまり、目的に向かう行動を促す内容を、必ず盛り込みます。

5. 追跡し、分析し、調整する

売上の達成を確実にするためには、顧客の行動に応じて、コンバージョンファネル(セールスファネル)を追跡し、分析して調整する必要があります。うまく行っていないことがあれば、修正して、常にリードを獲得できるようにしなければなりません。

追跡・分析・調整のヒント

以下のヒントを参考に、コンバージョンファネルを効率的に追跡していきます。

重要なことに注力する
EコマースのKPIには、コンバージョン率など多くの指標がありますが、すべてを一気に分析して調整するには無理があります。コンバージョン率の他に、カート放棄率、直帰率など、ひとつひとつに焦点を当てていき、調整をより効率的に行っていきます。
追跡時間を確保する
調整後には、すぐに変化が現れるとは限りません。大きな変化を確認するまで、しばらくの間、例えば数週間から1ヶ月程度は待つべきでしょう。

オンラインストア構築に適したEコマースプラットフォーム

オンラインストア、ネットショップは、スクラッチで開発をする場合もありますが、それを求めている人は稀でしょう。手軽に始められるプラットフォームが用意されています。

1. Shopify

近年日本でもシェアが増えているのがShopifyです。世界的に見てCMSのシェアではWordPressに次いで大きく(W3Techs)、Eコマース(オンラインストアやネットショップ)上位100万サイトのうちでも、WordPress(WooCommerce)に次ぐ第2位のシェアを誇っています(BuiltWith)。

オールインワンのEコマースプラットフォームとしては、世界最大のシェアを持っている点で安心とみなすことができ、その機能が要件を満たすのであれば、第一候補になるかもしれません。

Shopifyホームページ
Shopifyホームページ

2. WordPress + WooCommerce

世界No.1のシェアを誇り、最も利用されているEコマースプラットフォームが、WooCommerceです。WooCommerceは、WordPressを機能拡張できる仕組みであるプラグインのひとつです。WordPressもWooCommerceも無料で利用できます。

WordPressとは何か?については、こちらで詳しく解説しています。そして、WordPressの使い方や設定方法はこちらで説明しています

WooComerceホームページ
WooCommerceホームページ

3. その他

日本製であるがゆえに日本市場にマッチしているとも言える、STORESBASEカラーミーショップMakeShopなどがありますので、検討してみてもよいでしょう。

地道にネットショップをつくっていく

オンラインストアやネットショップの開設は、それほど難しいことではありません。むしろ、開設した後のマーケティング活動が難しく感じるかもしれません。十分な計画を練って、問題をひとつひとつ解決していくことで、ノウハウも溜まっていき、売上も達成感も得られるでしょう。

投稿者

あしやときおと申します。Web系プログラミング、Webデザイン、デジタルマーケティングを生業としています。

Pin It