WordPressのバックアップ方法に悩んでいませんか?サーバー機能とプラグイン、どちらが良いでしょう。この記事では、両者を徹底比較します。エックスサーバーなどを例に、機能や料金プランを解説。最適な方法を見つけ、Webサイトを守る知識を得ましょう。

この記事から学べる主な内容

  • WordPressサイトにおけるバックアップの重要性
  • レンタルサーバー(エックスサーバーなど)提供機能の比較
  • バックアッププラグイン(UpdraftPlusなど)の具体的な活用方法
  • サーバー機能とプラグインの料金プランおよびコスト分析
  • 自社あるいはご自身のWebサイトに最適なバックアップ方法を選ぶ基準

なぜWordPressサイトのバックアップは重要なのか?

データ消失のリスクは身近にある

Webサイトのデータが失われる原因は様々です。

  • サーバー機器の物理的な故障
  • OSやソフトウェアのアップデート失敗
  • ハッキングやマルウェア感染によるデータの改ざん・削除
  • 管理者自身の操作ミス
  • WordPress本体、テーマ、プラグイン更新時の互換性問題

もしこれらのトラブルが発生すると、バックアップなしではWebサイトのデータ復旧が非常に難しくなります。時間と労力をかけたWebサイトを失う可能性さえあります。ビジネス上の損失や信用の低下にも繋がりかねません。

バックアップはWordPressセキュリティの基本

定期的なバックアップは、単なる「念のため」の対策ではありません。これはWordPressセキュリティ戦略の基本となります。そして、安定した安心運用のためには、バックアップ体制の構築がたいへん重要です。

WordPressの主なバックアップ方法

WordPressサイトをバックアップするには、主に3つのアプローチがあります。

1. レンタルサーバーの機能を利用する
エックスサーバーConoHa WINGなど、多くのサーバー会社がバックアップ機能を提供しています。これは初心者向けで、手軽に始められる方法です。
2. WordPressプラグインを利用する
UpdraftPlus、BackWPup、All-in-One WP Migration and Backup、WPvivid Backup & MigrationといったプラグインをWordPressにインストールします。設定の自由度が高く、外部ストレージへの保存も簡単です。
3. 手動で行う
FTPソフトでファイル一式を、phpMyAdminなどでデータベースバックアップをそれぞれ取得します。ただし、この方法は手間が多く、ミスが発生しやすいため、初心者向けとは言えません。

この記事では、実用的な選択肢である「レンタルサーバーの機能」と「WordPressプラグイン」について詳しく解説します。

レンタルサーバー提供のバックアップ機能詳細ガイド

多くのレンタルサーバーは、サーバー側で自動的にバックアップを取る仕組みを提供しています。ユーザーの手間がかからないため、特に初心者向けに便利な機能ですが、提供内容はサーバー会社や料金プランによって大きく異なります。

人気サーバー別 バックアップ機能比較

ここでは、日本の主要なレンタルサーバーのバックアップ機能について、一般的な例を比較します。

レンタルサーバー名バックアップの種類頻度保存期間と世代管理データ復旧(リストア)料金提供プラン・オプション料金
エックスサーバー 自動毎日14日分無料(ユーザーによる手動対応)全プランに標準搭載
ConoHa WING 自動毎日14日分無料(ユーザーによる手動対応)全プランに標準搭載
ロリポップ! 自動毎日7日分無料(ユーザーによる手動対応)月額330円(エンタープライズは無料)・手動バックアップ機能はハイスピード以上のプランに標準搭載
mixhost 自動毎日14日分無料(ユーザーによる手動対応)ライトプランを除き標準搭載
サービス内容は変更される可能性があります。必ず公式サイトで詳細内容と最新情報をご確認ください。

日々の安心運用を実現するには、自動バックアップ機能が標準で付いているサーバーが便利です。

エックスサーバーには「WordPressリカバリー」機能があり、不正アクセスやログインできなくなった場合に、WordPressを復旧できる機能も提供されています。

バックアップの種類:自動と手動

レンタルサーバーのバックアップには、主に2つのタイプがあります。

自動バックアップ
サーバーが自動的に毎日深夜などにバックアップを取得します。エックスサーバーConoHa WINGmixhostなどがこのタイプです。ユーザーは何もしなくて良いため、手間がかからず確実です。
手動バックアップ
ロリポップ!に標準搭載のバックアップ機能は、ユーザー自身がサーバーの管理画面から操作し、好きなタイミングでバックアップを取得します。Webサイトの更新前などに便利ですが、実行し忘れるリスクもあります。

重要なポイント:料金体系(標準機能かオプションか)

バックアップ機能がプラン料金に含まれているか、別途費用が必要かは、重要な確認点です。

標準機能として提供
エックスサーバーConoHa WINGmixhostなどは、プラン料金内で自動バックアップが利用できます。追加費用なしで安心運用が可能です。
有料オプションとして提供
ロリポップ!のエンタープライズ以外のプランでは、サーバーの月額費用に上乗せして追加費用が必要になります。
特定のプランのみで提供
上位プランでのみ標準機能として提供されるケースもあります。例えば、ロリポップ!のエンタープライズプランです。

サーバーを選ぶ際は、月額料金だけでなく、バックアップ機能(特に自動バックアップ)が標準提供されるかも含めて、総コストを比較しましょう。

データ復旧(リストア)の方法

バックアップデータは、必要な時に元に戻せなければ意味がありませんが、大抵の場合、自動バックアップ機能と合わせて、復元機能は搭載されています。通常は、サーバーのコントロールパネルから操作します。具体的な復元手順はサーバーごとに異なりますので、マニュアルなどで確認します。

WordPressバックアッププラグインの活用ガイド

レンタルサーバーの機能とは別に、WordPressに「プラグイン」を追加してバックアップを管理する方法も有効です。サーバーの機能と比較して、設定の自由度が高いのが特徴です。

おすすめのバックアッププラグイン

数あるプラグインの中でも、以下のものが人気です。

UpdraftPlus
初心者向けで、世界中で広く使われています。無料版でも自動バックアップやDropboxやGoogleドライブなど主要な外部ストレージへの保存が可能です。
BackWPup
多機能でカスタマイズ性が高いプラグインです。様々なバックアップジョブを設定できます。
All-in-One WP Migration and Backup
主な用途はサイト移行ですが、バックアップ機能も備えています。
WPvivid Backup & Migration
無料でも制限なくエラーも出にくいプラグインです。

これらのプラグインは、バックアップのスケジュール設定、外部ストレージへの自動保存、プラグイン管理画面からの簡単なデータ復旧といった機能が提供されています。

必要な機能や予算に応じて、有料版も検討します。

プラグイン設定の重要点:外部ストレージへの保存

プラグインを利用する上で最も重要な設定の一つが、外部ストレージへの自動保存です。なぜなら、サーバー内だけにデータを保存すると、サーバー自体に障害が発生した場合、バックアップデータも失われる危険があるからです。 Dropbox・Googleドライブ・Amazon S3などの外部ストレージと連携させ、必ずサーバー外にもデータを保管するように設定します。これは、WordPressセキュリティの観点からも推奨されます。

コスト比較:サーバー機能 vs プラグイン

どちらの方法が、コストと機能の面で優れているのでしょうか。

レンタルサーバーのバックアップ機能:コストと特徴

利点
特別な設定なくバックアップが行われ、エックスサーバーのように標準搭載&手動復元無料なら追加費用がありません(ご自身で復旧作業を行う場合)。コントロールパネルで管理が完結するのが利点です。
欠点
世代管理(保存日数)や頻度に制限がある場合が多く、1日1回のみ、7日~14日の保存が目処です。復元が有料の場合、コストが高くつく可能性があります。
料金
プラン込みで無料、サーバーによっては月額が上乗せされる場合もあります。ご自身で復旧を行えば無料ですが、委託する場合は当然有料です。

WordPressバックアッププラグイン:コストと特徴

利点
機能が豊富で設定の自由度が高く、外部ストレージへ柔軟に保存できます。サーバー会社に依存することがありません。データベースバックアップの詳細設定も可能です。
欠点
初期設定や管理が必要です。有料版はコストがかかります。
料金
無料版があり、大抵の場合は無料で済みますが、追加機能が必要な場合は有料版が必要になることもあります。

費用対効果から考える選択肢

シンプルさ・コスパ重視、初心者
バックアップ標準搭載&手動復元無料のサーバー(エックスサーバーConoHa WINGmixhostなど)を選ぶのが最も手軽です。
コスト最優先
無料プラグインと無料の外部ストレージを活用します。ただし、設定や管理は自己責任で行う必要があります。
確実性・機能性重視
エックスサーバーなどの信頼性の高いサーバーを選び、さらにWordPressバックアッププラグインで外部ストレージにもバックアップする二重化が、安心運用につながります。
利用中のサーバーの復元費用が高い場合
WordPressバックアッププラグインを使って、自社や自身でデータを復旧できる体制を整えるのが賢明です。

設定の手間や、万が一のデータ復旧にかかる費用を考慮すると、多くの方にとってバックアップ機能が標準で付いていて、復元機能も備えている、エックスサーバーのようなレンタルサーバーを選ぶことが、安心運用への最も確実な道筋となるでしょう。

最適なバックアッププランの選び方

どのバックアップ方法が最適かは、Webサイトの種類、予算、技術的な知識レベルによって変わってきます。

Webサイトの重要度と予算に応じた選択

個人ブログ、小規模サイト、初心者向け
WordPressバックアッププラグインの無料版や、エックスサーバーなどの標準バックアップ機能で十分なケースが多いです。
企業サイトやECサイト
mixhost法人向けレンタルサーバー『XServerビジネス』など、信頼性の高いサーバーを選び、WordPressバックアッププラグインで外部ストレージへの二重バックアップ体制を構築するべきです。これはWordPressセキュリティの観点からも重要です。Webサイト移行の計画がある場合も、バックアップの取りやすさは考慮すべきポイントになります。

サーバー機能とプラグインの効果的な組み合わせ

最も安全性を高める方法は、両者を組み合わせることです。
例えば、サーバーの自動バックアップ(毎日)+プラグインによる外部ストレージへのバックアップ(週1回)といった体制です。
このためには、まずエックスサーバーConoHa WINGmixhostのような、信頼できるバックアップ機能を備えたレンタルサーバーを基盤として選ぶことが大切です。

バックアップ選びで失敗しないためのチェックポイント

  • バックアップは自動で行われるか?
  • バックアップの頻度、保存期間、世代管理は十分か?
  • データ復旧の復元手順は簡単か?追加料金は発生しないか?
  • サーバーのコントロールパネルは直感的に使えるか?
  • サーバー自体の安定性やサポート体制は信頼できるか?

安心運用のためには、これらのチェックポイント、特に世代管理の内容や復元手順とその費用を事前にしっかり確認することが、後悔しないサーバー選びの鍵となります。

まとめ:WordPressのバックアップ体制を整え、安心運用を実現しよう

WordPressサイトのバックアップは、WordPressセキュリティの基本であり、安定した安心運用のためには欠かせません。エックスサーバーConoHa WINGmixhostなどのレンタルサーバーが提供する機能と、WordPressのバックアッププラグインには、それぞれ利点と欠点があります。

世代管理の柔軟性、外部ストレージへの対応、データ復旧の容易さとコスト、コントロールパネルの使いやすさなどを総合的に比較し、運営サイトに最適な方法を選びます。

多くの場合、エックスサーバーのように信頼性の高いレンタルサーバーが提供する自動バックアップ機能を基本とし、必要に応じてプラグインで外部ストレージへデータを保管する体制を整えるのが、手間と安全性のバランスが良い選択肢と言えます。この方法は特に初心者向けにもおすすめです。

この記事が、WordPressサイトの安全な運営と、万が一の際のスムーズなデータ復旧体制の構築に役立つことを願っています。

芦屋 ときお

芦屋 ときお

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。