WordPressマスターへの道 9 – 初心者向け全10回講座
サイトの未来を左右する!SEOとセキュリティの基本をマスターしよう
前回の講座では、画像や動画といったメディアを効果的に活用し、WordPressの記事をより魅力的で分かりやすいものにする方法を学びましたね。
質の高い文章と、それを引き立てる美しいビジュアルで、あなたのサイトは訪問者にとってますます価値ある情報源へと成長していることでしょう。
しかし、どれほど素晴らしいコンテンツを作成し、美しいデザインのサイトを構築したとしても、それが「より多くの人々に見つけてもらえなければ」、そして、「様々なオンライン上の脅威から安全に守られていなければ」、その価値を十分に発揮することはできません。
WordPressサイトの持続的な成功と安全な運営のためには、この「集客」と「保護」という2つの側面への取り組みが不可欠です。
今回の第9回では、このWebサイト運営における車の両輪とも言える、非常に重要な2つのテーマ、すなわち「SEO(検索エンジン最適化)」と「セキュリティ対策」に関する基本的な考え方と、WordPressで今日からすぐに実践できる具体的な第一歩について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説していきます。
効果的なコンテンツSEOライティングの基本から、具体的なWordPress不正アクセス対策まで、幅広く網羅します。
これらの対策を効果的に、そして安心して行うためには、Webサイトの基盤となるレンタルサーバーの機能や性能もまた重要な役割を果たすという点も、自然とご理解いただけることでしょう。
「SEOって何だか専門用語が多くて難しそう…」
「ウェブサイトのセキュリティなんて、一体何から手をつけていいか全然見当がつかない…」
「もし、自分のサイトが気づかないうちにGoogleからペナルティを受けていたら、どうやって確認すればいいの?」
「自分の設定したパスワードの強度は、どうやってチェックすれば安全だと判断できるんだろう?」
このような不安や疑問を感じている方も、どうぞご安心ください。
SEOもセキュリティ対策も、最初から完璧を目指す必要はありません。
専門的な技術知識がなくても、基本的なポイントを一つ一つ着実に押さえて対策を講じるだけで、あなたのWordPressサイトは、より多くの人々に見つけてもらいやすくなり、同時に様々なオンライン上の危険からより安全な状態になります。
この記事を最後までお読みいただければ、そのために今すぐ何をすべきか、具体的な行動指針が明確になっているはずです。
さあ、あなたのWordPressサイトをさらに多くの読者に届け、そして様々な脅威からしっかりと守り抜くための、重要な知識とスキルを一緒に身につけていきましょう!
この記事で学べること
この記事を最後までお読みいただくことで、あなたはWordPressサイトの「集客力」と「安全性」を高めるための、以下の重要な知識と実践的なスキルを習得します。
- SEO(検索エンジン最適化)の基本的な考え方と、なぜそれがWebサイトの成功にとって不可欠なのかを明確に理解します。
- WordPressで実践できる具体的なSEO基本設定、例えば、パーマリンク構造の最適化、常時SSL化とSSL証明書の更新の確認、XMLサイトマップの活用などの方法と、それらが検索エンジンからの評価にどのように影響するかを学びます。
- 読者の検索意図を的確に捉え、検索エンジンにも評価される質の高い記事を作成するための「コンテンツSEOライティング」の基本的なコツ、つまり、キーワード選定、適切な見出しタグの使い方、効果的な内部リンクの最適化戦略などを習得します。
- WordPressサイトを様々なオンライン上の脅威から守るための、基本的な「WordPress不正アクセス対策」の重要性を深く認識し、具体的な実践方法、例えば、推測されにくいユーザー名と強力なパスワードの設定、そしてパスワード強度のチェックの習慣化、WordPress本体・テーマ・プラグインの定期的なアップデート、信頼できるバックアップの取得とマルウェアスキャンのやり方の概要などを身につけます。
- より高度なセキュリティ対策として、二段階認証の設定方法の概要や、レンタルサーバーが提供するセキュリティ機能、例えば、WAFとは何か、その効果などの基本的な役割についても理解を深めます。
- Webサイトの健全性を保つために、迷惑なコメントスパムへの具体的な対策方法、例えば、プラグインの活用やWordPress標準設定の最適化などを学びます。また、Google Search Consoleを通じて、万が一のGoogleペナルティの確認方法の重要性についても理解します。
SEO(検索エンジン最適化)とは?~Googleに好かれて多くの人に見つけてもらうために~
まずは、WordPressサイトをより多くの人々に発見してもらうための重要な取り組みである「SEO」について、その基本的な考え方から理解を深めていきましょう。
なぜSEO対策が重要なのか?検索エンジンからのアクセスを増やすメリットと仕組み
SEOとは、「Search Engine Optimization」という英語のフレーズの頭文字を取った略語で、日本語では一般的に「検索エンジン最適化」と訳されます。
簡略に言うと、SEOとは、GoogleやYahoo!やBingといった主要な検索エンジンを使って、Webサイトの潜在的な訪問者であるユーザーがある情報を探した際に、Webサイトの関連するページが、その検索結果のできるだけ上位に、そしてより目立つように表示されるように、Webサイトの内部構造やコンテンツ内容、そして外部からの評価といった様々な側面から工夫を凝らすこと全般を指します。
では、なぜこのSEO対策が、現代のWebサイト運営にとってそれほどまでに重要なのでしょうか?
その理由は主に、以下のような多くの実践的なメリットがあるからです。
非常に高い集客効果が期待できる
今日のインターネットユーザーの多くは、何か新しい情報を探したり、日々の疑問を解決したり、商品やサービスを比較検討したりする際に、まず最初にGoogleなどの検索エンジンを利用します。
Webサイトのページが、ユーザーが検索するキーワードに対して検索結果の上位に表示されれば、それだけ多くの人の目に触れる機会が格段に増え、結果としてWebサイトへの訪問者数の大幅な増加に直接繋がります。
質の高い、関心の高い訪問者の獲得が期待できる
検索エンジン経由でWebサイトにたどり着いたユーザーは、あるキーワードを使って能動的に情報を探しているわけですから、その情報に対して明確な目的意識や強い興味関心を持っている可能性が非常に高いです。
そのため、他の集客方法、例えば、不特定多数に向けたSNS広告などと比較して、Webサイトのテーマや提供している情報に本当に関心のある、「質の高い」訪問者を効率的に獲得しやすいと言えます。
広告費用をかけずに集客できる
SEO対策は、検索結果の上位表示をお金で直接買うリスティング広告(検索連動型広告)などとは異なり、基本的には、直接的な広告費用を支払うものではありません。
質の高い有益なコンテンツを継続的に作成し、Webサイトの構造や技術的な側面を検索エンジンが理解しやすいように適切に最適化していくといった、地道な努力の積み重ねによって、無料で大きな集客効果を得られる可能性があります。
長期的に安定したWebサイトの資産となる
一度Webサイトが検索エンジンから「このサイトはユーザーにとって非常に価値が高い」と評価され、あるキーワードで検索結果の上位に安定して表示されるようになれば、比較的長期間にわたって、大きな変動なく安定したアクセス数を見込めるようになります。
これは、WordPressサイトが、時間と共にその価値を高め、継続的に新しい訪問者を呼び込み、情報発信やビジネスの成果を生み出す「貴重な資産」となることを意味します。
Googleをはじめとする主要な検索エンジンは、非常に高度で複雑な、そして常に進化し続ける独自のアルゴリズムを使って、インターネット上に存在する膨大な数のWebサイトを常にクロール(巡回・情報収集)し、インデックス(データベースに登録)し、そして評価しています。
そして、検索ユーザーが入力したキーワードに対して、最も有益で、最も関連性が高いと判断した情報を、検索結果として順番に表示しようと日々努めています。
SEO対策とは、この検索エンジンのアルゴリズムに、WordPressサイトの内容や価値、そして専門性を正しく、かつ深く理解してもらい、結果として高く評価してもらうための一連の戦略的かつ継続的な取り組み全体を指すのです。
SEOの主要要素(キーワード選定・高品質コンテンツ・技術的SEO・被リンク獲得)
SEO対策は非常に多岐にわたる要素が複雑に絡み合っていますが、その中でも特に重要であると一般的に認識されている主要な要素を大きく分けると、以下の4つが挙げられます。
1. キーワード選定と分析
これは、Webサイトのターゲットとなるユーザー、つまり、Webサイトに訪問してほしい人々が、どのような言葉やフレーズ(キーワード)を使って情報を検索エンジンで探しているのかを具体的に調査し、Webサイトが提供するコンテンツと関連性が高く、かつ実際に検索されている(検索ボリュームがある)適切なキーワードを見つけ出し、選定する作業です。
2. 高品質なコンテンツの作成
これが、あらゆるSEO対策の中で最も重要で、かつ中心的な核となるものです。
ユーザーが検索する際の「検索意図」、つまり、ユーザーがそのキーワードで検索するときに、具体的に何を知りたいのか、どんな問題を解決したいのか、どんな情報を求めているのかを深く理解し、その意図に最も的確に応えるような、他のサイトのコピーではなく独自性があり、具体的で、信頼性が高く、訪問者にとって分かりやすい有益な情報を提供することが求められます。
質の高いコンテンツSEOライティングは、読者の満足度を最大限に高めるだけでなく、検索エンジンからの評価も自然と高めます。
3. 技術的SEO(サイト内部対策とも呼ばれます)
WordPressサイトの内部的な構造を、検索エンジンがより効率的に、そして正確に理解しやすくしたり、Webサイトのページの表示速度を改善したり、スマートフォンやタブレットといった様々なモバイルデバイスでも快適に閲覧できるようにしたり(これを「モバイルフレンドリー化」と呼びます)、あるいはWebサイトのセキュリティを確保したり(SSL化など)といった、Webサイト内部の技術的な側面を最適化するための一連の取り組みです。
今回の記事で後ほど詳しく触れる、WordPressで実践できる基本的なSEO設定の多くも、この技術的SEOの範疇に含まれます。
4. 被リンクの獲得(サイト外部対策とも呼ばれます)
他の質の高い、そしてご自身のWebサイトのテーマと関連性のある他のWebサイトから、ご自身のWebサイトへのリンク(「被リンク」「バックリンク」)を、自然な形で獲得することです。
これは、Webサイトが他の信頼できる情報源から参照され、推薦されているという証として、検索エンジンに高く評価される重要な要素の一つです。
WordPressを始めたばかりの初心者の方が、まず最初に取り組むべきなのは、何よりもまず「高品質なコンテンツ作成」に全力を注ぐこと、そしてWordPressの管理画面や基本的な機能を使って比較的簡単に行える「技術的SEOの基本的な設定」を、一つ一つ丁寧に行っていくことです。
WordPressでできる基本的なSEO設定7項目と効果的な実践方法
WordPressは、そのままでも比較的SEO(検索エンジン最適化)に配慮した構造を持っていると言われていますが、いくつかの基本的な設定項目を見直し、適切に設定することで、さらに検索エンジンからのWebサイトへの評価を高める効果が期待できます。
1. パーマリンク設定を「投稿名」に最適化する理由と設定手順
これは、この講座の第2回『WordPress向けレンタルサーバーおすすめ5選!初心者向け徹底比較と始め方ガイド』などで取り上げたパーマリンクについてのおさらいになります。
設定を行う場所
WordPressの管理画面にログインした後、画面左側にあるメインナビゲーションメニューの中から「設定」にマウスカーソルを合わせるかクリックし、表示されるサブメニューから「パーマリンク設定」を選択して開きます。
推奨される設定
表示されるいくつかのパーマリンク構造の選択肢の中から、「投稿名」を選択するのが、一般的に最も推奨されています。
URLの例としては、https://ドメイン名/sample-post/のような、ドメイン名の後に記事のスラッグ(通常は英語表記の投稿タイトル)が付く形式です。
その理由と期待できる主な効果
- 「投稿名」のパーマリンクは、作成する各記事や固定ページのURLが、意味のない数字や記号の羅列ではなく、非常にシンプルで短いものになります。
- これにより、人間にとっても、URLを見ただけでそのページの内容がある程度推測しやすくなり、分かりやすさが向上します。
- URL構造の中に、その記事の内容を表す重要なキーワードが含まれることになるため、Googleなどの検索エンジンがそのページの内容をより正確に、そして深く理解しやすくなります。なお、投稿を作成すると、タイトルに基づいて自動的にスラッグが作成されますが、日本語表記はよくありませんので、キーワードを意識した英語表記に変更します。
非常に重要な注意点
このパーマリンク構造の設定は、WordPressサイトを一般に公開し、いくつかの記事を既に投稿した後で変更すると、既存の全ての記事や固定ページのURLが新しい構造に変わってしまいます。
WebサイトのURLが変更されるということは、それまでに積み上げてきたSEO評価に大きな悪影響が出たり、他のWebサイトからのリンクや、訪問者が保存しているブックマークなどが全て無効になる、いわゆる「リンク切れ」の、非常に大きな原因となります。
そのため、このパーマリンク設定は、必ずWebサイトを作成した初期の段階、最初の記事を本格的に投稿し始める前に、一度だけ慎重に設定し、その後はむやみに変更しないようにしましょう。
※ここにWordPressのパーマリンク設定画面で、「投稿名」というオプションが選択されている状態が明確に分かるスクリーンショット◀◀◀◀◀ 01 OK要加工

2. 「表示設定」で検索エンジンへのインデックス許可を確認する方法
設定を行う場所
WordPress管理画面→「設定」→「表示設定」を開きます。
確認すべき最も重要な項目
「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」というチェックボックスがあります。
Webサイトを一般に公開し、多くの人に見てもらいたいのであれば、このチェックボックスが必ずオフになっていることを確認してください。
※ここにWordPressの表示設定画面で、「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」というチェックボックスが、チェックされていない(オフの)状態になっている部分のスクリーンショット◀◀◀◀◀ 02 OK要加工

その理由と影響
このチェックボックスに誤ってチェックが入っている状態になっていると、WordPressは検索エンジンに対して「このサイトの情報は収集(インデックス)しないでください」という指示を出すことになります。
その結果、Googleなどの検索エンジンはWebサイトの情報をデータベースに登録しなくなり、Webサイトのどのページも検索結果に一切表示されなくなってしまいます。
Webサイトをまだ作成中であったり、公開前のテスト段階であったりする場合には、意図的にこの設定をオンにしておくこともありますが、Webサイトを一般に公開した後は、必ずこのチェックが外れていることを確認する習慣をつけましょう。
3. サイトタイトルとキャッチフレーズのSEO効果と魅力的な設定方法
設定を行う場所
WordPress管理画面→「設定」→「一般」、テーマによってはカスタマイザーからも設定可能です。
設定のポイント
サイトのタイトル
「サイトのタイトル」は、Webサイト全体の、いわば「顔」となる非常に重要な名称です。
Webサイトが全体としてどのような情報を扱っているのか、どのようなテーマ性を持っているのかを的確に表し、訪問者にとってユニークで覚えやすい名称にします。
また、Webサイトの主要なテーマを代表する最も重要なキーワードを、不自然にならない範囲でこのサイトタイトルに含めることも、SEOの観点から検討すると良いでしょう。
このサイトタイトルは、検索エンジンの検索結果ページでWebサイトがリストアップされる際や、訪問者がWebサイトを閲覧しているWebブラウザのタブ部分などにも表示される、非常に目立つ要素になります。
キャッチフレーズ(タグライン)
「キャッチフレーズ」は、Webサイトの内容や特徴を、短い言葉で簡潔に、そして魅力的に説明する文章です。
Webサイトのタイトルだけでは伝えきれない、Webサイトが具体的に何についての情報を提供しているのか、どんな価値を訪問者に提供できるのかを、このキャッチフレーズで端的に表現するようにします。
ここにも、Webサイトのテーマと関連性の高いキーワードを自然な形で盛り込むことを意識すると効果的です。
その理由と期待できる効果
サイトタイトルとキャッチフレーズは、Googleなどの検索エンジンがWebサイト全体のテーマ性や専門性を理解する上で、非常に重要な情報源となります。
また、検索結果ページにWebサイトが表示された際に、ユーザーがそのタイトルや説明文を見て、「このサイトには自分の探している情報がありそうだ」「このサイトは面白そうだ」と判断し、実際にクリックするかどうかを決める、非常に重要な判断材料にもなります。
4. SSL化(HTTPS)の重要性とWordPressサイトでの簡単設定・確認方法 (レンタルサーバー機能も活用)
SSL化 (HTTPS化) とは何か、その基本的な意味
SSL(Secure Sockets Layer)とは、Webサイトと、閲覧している訪問者のWebブラウザとの間で行われる全ての通信内容を暗号化し、悪意のある第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぐための、非常に重要なセキュリティ技術です。
SSL化されたWebサイトのURLは、http://で始まるものではなく、安全な接続であることを示すhttps://で始まります(「s」は「secure」の頭文字です)。
SSL化の非常に高い重要性
Webサイト訪問者のセキュリティとプライバシーの向上
SSL化によって通信が暗号化されることで、訪問者がWebサイトで入力する情報、例えば、お問い合わせフォームに入力する氏名やメールアドレス、ECサイトで入力するクレジットカード情報などが、第三者に盗み見られたり、途中で改ざんされたりするリスクを大幅に低減できます。
これにより、訪問者はWebサイトを安心して利用することができます。
主要なWebブラウザでの警告表示の回避
現在、SSL化されていないHTTPのWebサイトにアクセスすると、Google ChromeやFirefoxといった主要なWebブラウザでは、アドレスバーに「保護されていない通信」といった主旨の警告が目立つように表示されるようになっています。
このような警告表示は、Webサイトを訪れた訪問者に無用な不安感を与え、Webサイトの信頼性を損ね、結果としてWebサイトからの離脱を招く大きな原因となる可能性があります。
SEO(検索エンジン最適化)効果の期待
Googleは、2014年以降、SSL化されたWebサイトを検索結果のランキングシグナルすなわち順位を決定するための一つの要因として使用しており、SSL化されているWebサイトを、そうでないHTTPのサイトよりも優先的に評価する方針を明確に打ち出しています。
SSL化の具体的な設定方法
現在、あなたが契約を検討している、あるいは既に契約している主要なレンタルサーバー、この講座の第2回で紹介したエックスサーバー
、ConoHa WING
、ロリポップ!
、さくらのレンタルサーバ
、mixhost
など、ほとんどのサービスでは、無料の独自SSL証明書を、サーバーのコントロールパネルから非常に簡単な操作で設定できる機能が、標準で提供されています。
まずは、契約しているレンタルサーバーの管理画面から、この無料SSLの設定を行い、Webサイトを常時SSL化しましょう。
WordPress側でも、管理画面の「設定」→「一般」を開き、「WordPress アドレス (URL)」と「サイトアドレス (URL)」という2つの項目が、正しくhttps://で始まるURLになっているかを必ず確認してください。
※ここにレンタルサーバーのコントロールパネルで無料SSLを設定する画面のイメージ、またはWordPressの一般設定画面でサイトのURLが正しくHTTPSになっている部分のスクリーンショット◀◀◀◀◀ 03 OK要加工

また、SSL証明書の更新についても意識しておく必要があります。
多くの無料SSL証明書(例えば、Let’s Encryptなど)は、その有効期限が比較的短く設定されています。しかし、ほとんどのレンタルサーバーでは、これらの無料SSL証明書の有効期限が近づくと、自動的に更新処理を行ってくれる機能が備わっているため、通常はサイト運営者が手動で何か作業を行う必要はありません。
ただし、念のため、WebサイトのSSL証明書が適切に更新されていて、有効期限が切れていないかなどを、時々確認しておくと良いでしょう。
例えば、ブラウザのアドレスバーの鍵マークをクリックして証明書の詳細を確認することで、有効期限を確認できます。
もし有料のSSL証明書を利用している場合は、その有効期限が切れる前に、ご自身で手動での更新手続きが必要になることがありますので、注意が必要です。
5. XMLサイトマップの作成とGoogle Search Consoleへの送信方
XMLサイトマップとは何か、その役割
XMLサイトマップとは、WordPressサイト内にどのようなページが存在し、それぞれのページがいつ最終更新されたか、そして各ページの重要度はどれくらいかといった情報を、Googleなどの検索エンジンに対して分かりやすく伝えるために、特別にXML(Extensible Markup Language)という形式で記述されたファイルのことです。
これは、Webサイト訪問者が見てサイト全体の構造を把握するために作られるHTML形式のサイトマップとは異なる、検索エンジン専用の「サイトの地図」のようなものです。
XMLサイトマップの主な効果
このXMLサイトマップを作成し、それを検索エンジンに送信することで、検索エンジンがWebサイト内の新しいページや更新されたページを、より効率的かつ網羅的に発見し、クロール(Webページ情報を収集・巡回)して、インデックス(検索エンジンの巨大なデータベースに登録)するのを大きく手助けします。
特に、新しく作成したばかりのWebサイトや、ページ数が非常に多い大規模なWebサイト、あるいはサイト内のページ同士のリンク構造が複雑であまりクローラーが巡回しにくいWebサイトなどでは、このXMLサイトマップの存在が、Webサイトのコンテンツを検索エンジンに正しく認識してもらう上で非常に重要になります。
XMLサイトマップの具体的な作成・送信の方法
SEOプラグインの活用が最も簡単で確実
この講座の第7回「プラグイン」の回で詳しくご紹介した予定の、Yoast SEOやAll in One SEO Packといった、WordPress向けの総合的なSEO対策プラグインのほとんどには、XMLサイトマップを自動的に生成し、新しい記事を公開したり既存の記事を更新したりするたびに、その内容を自動で更新してくれる便利な機能が標準で搭載されています。
これらの主要なSEOプラグインをWordPressサイトに導入し、その設定画面でXMLサイトマップ機能を有効にするのが、特に初心者の方にとっては最も簡単で確実な方法です。
XMLサイトマップ専用プラグインの利用も可能
以前は、XML Sitemap Generator for Googleのような、XMLサイトマップの生成と更新に特化した専用のプラグインも多く利用されていました。
WordPressサイトで生成されたXMLサイトマップのURLを、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)という、Googleが無料で提供している非常に重要なWebサイト管理者向けのツールに登録・送信します。
Google Search Consoleの導入方法と基本的な使い方については、この講座の最終回である第10回で改めて詳しく触れますが、このツールは、WordPressサイトがGoogleの検索エンジンからどのように見えているかを確認したり、検索結果でのパフォーマンスを分析したり、あるいは万が一WebサイトがGoogleから何らかのペナルティを受けていないかといった、Googleペナルティの確認方法としても利用できる、Webサイト運営者にとってはまさに必須のツールです。
6. robots.txtファイルの役割と基本的な設定
robots.txtとは何か、その役割
robots.txt とは、WordPressサイトのルートディレクトリ、つまり、Webサイトのドメイン名の直下、一番上の階層に設置する、robots.txt という名前の単純なテキストファイルのことです。
このファイルの主な役割は、ウェブページ情報を自動的に収集して回るプログラムである、Googleなどの検索エンジンのクローラーに対し、Webサイト内のどのページやどのディレクトリをクロールしても良いか、あるいは逆にどのページやディレクトリはクロールしないでほしい(つまり、検索結果ページに掲載しないでほしい)かを指示するために使われます。
robots.txtの具体的な活用例と効果
例えば、WordPressの管理画面に関連するページ、サイト内検索の結果を表示するページ、検索エンジンにインデックスさせる必要のない一時的なテストページなどへのクローラーのアクセスを、このrobots.txtファイルを使って制限することができます。
これにより、クローラーがWebサイト内の本当に重要なコンテンツページをより効率的に巡回できるようになり、Webサイト全体のクロール効率を高めたり、質の低いページが誤ってインデックスされるのを防いだり、あるいは重複コンテンツ、つまり、ほぼ同じ内容のページが複数存在してしまうといった、SEO上の問題を避けるのに役立つことがあります。
robots.txtの基本的な設定方法
WordPressをインストールすると、大抵は、基本的な内容記述されたrobots.txtファイルが自動的に生成されることが多いです。
もし、より詳細な設定を行いたい場合は、これもYoast SEOやAll in One SEO Packといった主要なSEOプラグインに、WordPressの管理画面からrobots.txtファイルを簡単に編集できる機能が提供されている場合があります。
非常に重要な注意点
robots.txtファイルの設定を誤ると、検索エンジンにクロールしてほしい、Webサイトの非常に重要なページが誤ってブロックされてしまい、検索結果に全く表示されなくなるという、致命的なSEO上の問題を引き起こすリスクもあります。
そのため、WordPress初心者の方は、無理にご自身でrobots.txtファイルを直接編集しようとせず、まずはWordPressのデフォルト設定や、信頼できるSEOプラグインが提供する基本的な機能に任せるのが最も安全で無難です。
もし編集を行う場合は、その記述方法や影響について十分に理解した上で、慎重に行ってください。
7. 表示速度改善のための基本施策(画像最適化・キャッシュ活用・サーバー選び)
WordPressサイトのページの表示速度は、訪問者の満足度(UX、ユーザー体験)とSEO(検索エンジン最適化)評価の両方に、非常に大きな影響を与える、極めて重要な問題です。
表示が遅いWebサイトは、訪問者の離脱を招きやすく、検索エンジンからの評価も低下する傾向にあります。
WordPressサイトの表示速度を改善するためには、以下のような基本的な施策を、日々のWebサイト運営の中で継続的に行うことが大切です。
画像の徹底的な最適化
この講座の第8回「メディア活用術」で詳しく解説していますが、投稿やページに使う全ての画像のファイルサイズを、画質をできるだけ損なわない範囲で可能な限り圧縮し、また、表示する場所や内容に合わせて適切なファイル形式を選ぶことが、Webサイト高速化のための最も基本的で効果の高い施策の一つです。
キャッシュ機能の効果的な活用
この講座の第7回「プラグイン」の回でも触れましたが、キャッシュ系プラグインを利用したり、あるいは契約しているレンタルサーバーが提供しているサーバー側のキャッシュ機能を有効にしたりして、一度アクセスしたWebページのデータを訪問者のブラウザやサーバー上に一時的に保存しておくことで、次回以降に同じページへアクセスがあった際のページの表示を劇的に高速化することができます。
高性能で信頼性の高いレンタルサーバーの選択
Webサイトの表示速度は、利用しているレンタルサーバーの基本的な性能、例えば、サーバーマシンの処理能力(CPU)、搭載されていて利用できるメモリの容量、データの読み書き速度を左右するディスクの種類、サーバーが設置されているデータセンターのネットワーク回線の速度や品質などにも大きく左右されます。
この講座の第2回「レンタルサーバー選び」で解説したように、WordPressの運用に適した、評判の良い高速なレンタルサーバーを最初から選んでおくことが、Webサイトの表示速度を快適に保つための最も基本的な土台となります。
使用しているテーマやプラグインの定期的な見直しと整理
機能が豊富でもプログラムの動作が重いテーマや、品質の低いプラグイン、現在使用していない不要なプラグインは、Webサイト全体のパフォーマンスを低下させる大きな原因となります。
定期的に、現在使用しているテーマやインストールしているプラグインを見直し、本当に必要なものだけに厳選し、不要なものは削除するといった整理を行うことも、Webサイトの軽量化と高速化に繋がります。
これらの基本的なSEO設定を一つ一つ丁寧に行い、そして何よりもあなたのサイトを訪れてくれる読者のために本当に役立つ、質の高いオリジナルなコンテンツを継続的に提供し続けることが、あなたのWordPressサイトがGoogleなどの検索エンジンに正しく評価され、より多くの人々に見つけてもらえるようになるための、最も確実で王道と言える取り組みです。
SEOに強いWordPress記事コンテンツ作成のコツ【キーワード選定とライティング】
WordPressサイトの技術的なSEO設定(内部対策)ももちろん重要ですが、SEO対策の最も核となる、そして最も時間をかけて取り組むべき部分は、やはり「サイトを訪れる読者(ユーザー)にとって本当に価値のある、高品質なオリジナルコンテンツ」を作成し続けることです。
ここでは、Googleなどの検索エンジンにも評価されやすく、かつ読者の満足度も高い、いわゆる「SEOに強い」記事コンテンツを作成するための、コンテンツSEOライティングの基本的な考え方と具体的なコツをいくつかご紹介します。
読者の検索意図を理解し、解決策を提供するコンテンツ作成
検索意図(サーチインテント)とは何か、その重要性
検索意図(サーチインテント)とは、ユーザーすなわちWebサイトの潜在的な訪問者が、あるキーワードを使ってGoogleなどの検索エンジンで情報を探す際に、そのユーザーが「具体的に何を知りたいのか」「どのような問題を解決したいのか」「どのような情報を得ることを期待しているのか」といった、その検索行動の背景にある真の目的や欲求のことです。
なぜ検索意図の的確な理解が重要なのか
現在のGoogleをはじめとする主要な検索エンジンは、このユーザーの検索意図に最も的確に応え、ユーザーが抱えている疑問や問題を最も効果的に解決できるような、質の高い情報を提供しているコンテンツを、検索結果の上位に表示しようと、その評価アルゴリズムを常に改良し続けています。
検索意図を理解し、それに応えるコンテンツを作成するための具体的な実践方法
これから記事を書こうとしているテーマやキーワードについて、実際にユーザーがどのような情報を求めているのか、どのような疑問や悩みを抱えている可能性が高いのかを、深く具体的に考えてみます。
例えば、そのキーワードで実際にGoogle検索をしてみて、現在上位に表示されている他のWebサイトの記事がどのような情報を提供しているのかを参考にしたり、Yahoo!知恵袋や教えて!gooといったQ&Aサイトで、そのキーワードに関連するユーザーからの具体的な質問や悩みを探してみたりするのも、検索意図を把握する上で非常に有効な手段です。
記事を通じて、ユーザーが抱えているであろう具体的な疑問や問題に対し、明確で分かりやすい答えや、実践可能な具体的な解決策を提示するように心がけます。
単に情報を羅列するだけでなく、読者が次に行動を起こせるような、具体的なステップやヒントを提供できると、より価値の高いコンテンツになります。
常に記事を読んでくれる読者の立場に立ち、「この記事を読んで本当に良かった!」「長年の疑問がスッキリと解決した!」「新しい発見や気づきがあった!」と、読者が心から満足してくれるような、質の高い情報と体験を提供できるコンテンツを目指しましょう。
効果的なキーワードリサーチ方法と記事への自然な盛り込み方
キーワードリサーチとは何か、その基本的な進め方
キーワードリサーチとは、Webサイトのターゲットとなる読者が、実際にどのような言葉やフレーズ(キーワード)を使って、Webサイトのテーマに関連する情報を検索エンジンで探しているのかを調査し、把握する一連の作業のことです。
Googleの検索窓に、記事のテーマとして考えている主要なキーワードを実際に入力してみると、その下に自動的に表示される「サジェストキーワード(Googleが予測する関連性の高い検索候補のリスト)」や、検索結果ページの一番下に表示される「他の人はこちらも検索」などは、ユーザーが実際にどのような言葉の組み合わせで情報を探しているのかを知る上で、非常に貴重なヒントの宝庫となります。
Ubersuggest、Googleキーワードプランナー、ラッコキーワードといった、無料または一部無料で利用できるキーワードリサーチ専門のツールも、あるキーワードの月間の平均検索ボリューム、つまり、どれくらいの回数検索されているかを調べたり、関連する様々なキーワードのアイデアを得たりするのに非常に役立ちます。
見つけ出したキーワードを記事へ自然に、かつ効果的に盛り込む方法
キーワードリサーチを通じて見つけ出した、記事のテーマと関連性が高く、かつ実際にユーザーが検索しているキーワード、特に、複数の単語を組み合わせた具体的な「ロングテールキーワード」が効果的な場合が多いですが、このキーワードを、記事のタイトル、各見出し(H2、H3、H4など)、本文中の文章、特に、導入部分や結論部分、重要なポイントを説明する箇所などに、不自然にならないように、そして読者の理解を助けるような形で適切に盛り込みます。
ただし、最も重要な注意点として、キーワードを無理やり文章中に詰め込みすぎたり、同じキーワードを不必要に何度も繰り返したりすると、文章が非常に読みにくくなり、読者に不快感を与えるだけでなく、検索エンジンからも「キーワードスタッフィング」という、検索順位を不正に操作しようとする行為とされ、ペナルティの対象となる可能性があります。
あくまで、記事を読んでくれる読者にとって自然で、分かりやすく、そして価値のある文章を作成することを最優先に考えましょう。
共起語、つまり、ターゲットとするメインのキーワードと一緒によく使われる、意味的に関連性の高い様々な言葉やフレーズも、文章中に意識してバランス良く使用すると、記事のテーマ性や専門性がより明確になり、網羅性も高まるため、検索エンジンからの評価も向上する傾向があります。
読者に分かりやすい文章構成と適切な見出し(Hタグ)の使い方
読者にとって分かりやすい文章構成を心がけるためのポイント
まず記事の冒頭部分で、この記事を読むことで何が分かるのか、どんなメリットがあるのかといった「結論」や「要点」を簡潔に述べ、その後にその結論や要点に至った「理由」や「具体的な根拠」、そして「詳細な説明や具体例」を続け、最後に記事全体の内容を振り返り、もう一度「結論」や「要点」を読者に印象づける形でまとめる、といった「PREP(プレップ)法」(Point→Reason→Example→Point)に代表されるような、論理的で読者が内容をスムーズに理解しやすい文章構成を意識します。
一つの文(センテンス)はできるだけ短く、主語と述語の関係が明確になるように書くことを心がけます。
専門用語や難しい言葉の使用はできる限り避け、もし使用する場合は必ず注釈を加えるなどして、特にWordPress初心者の方にも平易な言葉で内容が伝わるように工夫します。
適度に改行を入れて段落を分けたり、重要なポイントを太字にして強調したり、情報を整理して見せるために箇条書きや番号付きリストを効果的に活用したりするなど、文章の内容だけでなく、視覚的な読みやすさ(レイアウトやデザイン)も考慮することが、読者の離脱を防ぎ、最後まで記事を読んでもらうためには大切です。
SEO効果も高める、適切な見出し(Hタグ)の使い方
この講座の第4回「記事作成入門」でも詳しく解説しましたが、Webページ全体の中で、記事のタイトルが最も重要なH1(見出しレベル1)にあたるため、記事の本文中で最初に使用する大きな見出しはH2(見出しレベル2)から始めるのが一般的です。
そして、そのH2で示される大きなセクションの中で、さらに細かいトピックに内容を分けて説明する場合はH3(見出しレベル3)を使用し、そのH3の中でさらに細分化して説明する場合はH4(見出しレベル4)…というように、記事の内容の論理的な階層構造(アウトライン)を正しく、そしてWebサイト全体で一貫したルールで使い分けることが、SEOの観点からも、また読者の理解を助ける上でも非常に重要です。
各見出しのテキストには、その見出し以下のセクションで具体的にどのような内容について書かれているのかを、読者が一目見ただけで的確に理解できるように、そのセクションのテーマとなる具体的なキーワードを自然な形で含めるようにします。
記事全体の目次を見ただけで、読者が記事の全体像や主要なトピックの流れをスムーズに把握できるように、見出しの構成と文言を工夫することが理想的です。
内部リンク戦略でサイト内回遊率とSEO評価を高める方法
内部リンクとは何か、その基本的な役割
内部リンクとは、WordPressサイト内の、あるページ、例えば、記事Aから、同じWebサイト内の別のページ例えば記事Bや固定ページCへと設置するリンクのことです。
内部リンクの最適化によって期待できる主な効果
Webサイトのユーザビリティ(訪問者の使いやすさ)の向上
記事を読んでいる訪問者に対して、その内容と関連性の高い、あるいはさらに詳しい情報が掲載されているWebサイト内の別のページへ、スムーズに、そして自然な形で誘導することができます。
これにより、訪問者はWebサイト内で必要な情報を探しやすくなり、Webサイト全体の使いやすさが向上します。
サイト内回遊率の向上と直帰率の低下
訪問者がWebサイト内の複数のページを興味を持って巡りやすくなるため、サイト内回遊率(一人の訪問者がWebサイト内で閲覧する平均ページ数)が高まり、逆に直帰率(訪問者がWebサイトの最初の1ページだけを見て、他のページに移動することなくWebサイトを離れてしまう割合)を低減させる効果が期待できます。
これは、訪問者のWebサイトへのエンゲージメント(関与度)を高める上で重要です。
SEO(検索エンジン最適化)効果の期待
検索エンジンが、Webサイト全体の構造や、各ページ間の関連性をより深く、そして正確に理解しやすくなります。
また、Webサイト内の重要なページ、例えば、多くの質の高い内部リンクが集まるページに対して、検索エンジンからの評価、専門用語では「リンクジュース」や「ページランク」といった概念で説明される評価ですが、この評価を適切に、そして効果的に分配するのに役立ちます。
さらに、検索エンジンのクローラーが、サイト内の新しいページや更新されたページをより発見しやすくなるというメリットもあります。
効果的な内部リンクをあなたの記事に設置するための具体的な実践方法
あなたが記事の本文を作成・編集している中で、現在書いている内容と関連性の高い過去の記事や、あるいはより詳細な補足となる情報が掲載されているサイト内の別のページがある場合には、その関連する箇所に、訪問者にとって自然で分かりやすい形で内部リンクを設置します。
リンクを設定する際のテキスト部分、これを専門用語では「アンカーテキスト」と呼びますが、「こちら」や「詳細はこちら」といった曖昧な言葉だけにするのではなく、リンク先のページの内容が具体的にどのようなものなのかが分かるような、キーワードを含んだ具体的な言葉にすると、読者にとっても、そして検索エンジンにとってもより効果的です。
例えば、「WordPressのテーマをカスタマイズする方法については、こちらの記事『第6回:WordPressテーマの選び方と設定方法』で詳しく解説しています」といったように記述します。
各記事の最後や、あるいはWebサイトのサイドバーなどに、現在読んでいる記事と関連性の高い他の記事の一覧を自動的に表示するのも、内部リンクを増やし、サイト内回遊を促す上で非常に有効な手段です。
この機能は、多くのWordPressテーマに標準で備わっているか、あるいは専用のプラグインを導入することで比較的簡単に実現できます。
SEOプラグイン(Yoast SEO等)を活用したタイトルタグ・メタディスクリプション最適化
この講座の第7回「プラグイン」の回でもご紹介しましたが、Yoast SEOやAll in One SEO Packといった、WordPress向けの総合的なSEO対策プラグインをWebサイトに導入すると、記事ごと、または固定ページごとに、以下の検索エンジンの検索結果表示に直接影響する、非常に重要なSEO関連要素を、WordPressの管理画面から簡単に、そして効果的に設定・最適化できるようになります。
SEOタイトル(タイトルタグ)
これは、Googleなどの検索エンジンの検索結果ページで、記事のタイトルとして実際に表示されるテキストのことです。
WordPressの記事編集画面で入力する通常の記事のタイトルとは別に、よりSEOを意識した、特にキーワードの配置や文字数を意識した、検索ユーザーのクリックを最大限に促すような、魅力的なタイトルを、このSEOプラグインが提供する専用の設定項目で個別に設定することができます。
検索結果に表示されるタイトルには文字数に限りがあるため、ターゲットとする最も重要なキーワードをできるだけ文頭に近い位置に含めつつ、読者が「この記事には自分の求めている情報がありそうだ!」「この記事を読んでみたい!」と強く思えるような、具体的で魅力的なものにします。
メタディスクリプション(meta description)
これは、検索エンジンの検索結果ページで、上記のSEOタイトルの下に通常表示される、その記事の内容を要約した短い説明文のことです。スニペットと呼ばれることもあります。
メタディスクリプション自体が、検索結果の順位に直接的な影響を与える度合いは低いと言われていますが、検索ユーザーがどの記事をクリックするかどうかを判断する上で非常に重要な役割を果たすため、結果として記事のクリック率(CTR:Click Through Rate)に大きく影響します。
記事の内容を正確に、そして魅力的に要約し、読者の興味や関心を引きつけ、検索したキーワードと関連性の高い言葉を自然な形で含め、適切な長さで記述するのが一般的です。
※ここにYoast SEOやAll in One SEO Pack (AIOSEO) などの代表的なSEOプラグインを使って、特定の記事のSEOタイトルとメタディスクリプションを、WordPressの記事編集画面の下部などにある専用の設定パネルで編集・最適化している様子のスクリーンショット◀◀◀◀◀ 04 OK

これらの主要なSEOプラグインは、設定したSEOタイトルやメタディスクリプションが、実際のGoogleの検索結果ページでどのように見えるかをリアルタイムでプレビューする便利な機能や、設定したターゲットキーワードに対して、記事のタイトルや本文中にそのキーワードがどれくらい適切に使用されているか、画像のalt属性は設定されているか、内部リンクや外部リンクは適切に配置されているかといった点を分析し、改善のための具体的なアドバイスを分かりやすく示してくれる機能も備えています。
これらの機能を活用することで、特にSEO初心者の方でも、検索エンジンに評価されやすい、質の高いコンテンツ作成に効果的に取り組むことができます。
SEO対策は、一度設定したらそれで終わりというものではなく、WordPressサイトを運営し続ける限り、常に最新の情報を学び、効果を測定し、改善を重ねていく必要がある、継続的な取り組みです。
しかし、ここでご紹介した基本的なポイントを一つ一つ丁寧に、そして何よりもWebサイトを訪れてくれる読者のために本当に役立つ、質の高いオリジナルなコンテンツを作り続けることが、長期的な視点でのSEO成功への最も確実で、そして最も王道と言える取り組みなのです。
必須!WordPressの基本的なセキュリティ対策でWebサイトを守る
愛情を込めて時間と労力をかけて作成・運営している大切なWordPressサイトは、残念ながら、インターネット上に公開されている以上、世界中の様々なセキュリティ上の脅威に、常にさらされる可能性があります。
例えば、悪意のある第三者や自動化されたプログラム(ボット)による不正なアクセス試行、Webサイトの見た目や内容の不本意な改ざん、Webサイトに保存されている個人情報や顧客情報といった機密情報の漏洩、Webサイト訪問者を危険な別のサイトへ誘導するためのマルウェア(悪意のある不正なプログラム)の感染などです。
しかし、基本的なWordPress不正アクセス対策を始めとする、いくつかの重要なセキュリティ対策をしっかりと行うことで、これらの様々なオンライン上のリスクを大幅に減らし、大切なWordPressサイトを安全に守ることができます。
推測されにくいユーザー名と強力なパスワードの設定・管理方法
管理者ユーザー名(ログインID)の工夫
WordPressを最初にインストールする際に設定する、最も強力な権限を持つ管理者ユーザーのユーザー名は、「admin」「administrator」「test」といった、非常に安易で推測されやすい名前は絶対に避けなければいけません。
独自の、他の人には容易に知られにくい、オリジナルのユーザー名を設定することが、不正なログイン試行を防ぐための最も基本的な、そして最初の防御策となります。
パスワードの強度と管理方法
WordPressの管理画面にログインするために設定するパスワードは、できるだけ長く、そして非常に複雑で、第三者には絶対に推測されにくいものを設定するようにします。
具体的には、大文字のアルファベット、小文字のアルファベット、数字、そして様々な種類の記号を、ランダムに組み合わせることが強く推奨されます。
以前は、セキュリティ対策としてパスワードの定期的な変更が推奨されていましたが、最近ではそれ以上に、各サービスごとに十分に複雑でユニークなパスワードを設定し、それを安全に管理し続けることの重要性がより強調されています。
個人のメールアカウント、SNSアカウント、オンラインバンキングの口座など、他のWebサービスで使っているパスワードを、WordPressのログインパスワードとして使い回すことは、絶対に避けてください。
万が一、他のいずれかのサービスからあなたのパスワードが何らかの形で漏洩してしまった場合、WordPressサイトも同様に不正アクセスの危険にさらされることになってしまいます。
サービスごとに異なる、ユニークなパスワードを設定することが基本です。
このように長く複雑なパスワードを、全て記憶しておくのは非常に困難です。
そのため、1Password、Bitwarden、LastPassといった、信頼できるパスワード管理ツールを利用して、強力でユニークなパスワードを自動生成させ、安全に暗号化して保管・管理するのが、現在では最も推奨される方法です。
こういったパスワード管理ツールを使えば、設定したパスワードのパスワード強度をチェックする機能も備わっている場合があります。
WordPress本体・テーマ・プラグインを常に最新の状態に保つ(脆弱性対策)
WordPressサイトを構成している、WordPressの本体ソフトウェア、現在使用しているテーマ、機能拡張のためにインストールしている全てのプラグインは、時折、セキュリティ上の脆弱性、つまり、プログラムの設計上の弱点や、悪用される可能性のある欠陥が発見されることがあります。
ソフトウェアの開発者は、脆弱性が発見されると修正し、セキュリティを強化するためのアップデート版を速やかに提供します。
ソフトウェアアップデートの非常に高い重要性
WordPress本体やテーマ、プラグインを古いバージョンのまま長期間放置しておくことは、既に世界に知られてしまっている既知の脆弱性を悪用した、悪意のあるサイバー攻撃を受けるリスクを飛躍的に高めます。
これは、WordPressサイトのセキュリティ対策における、最も基本的であり、かつ最も重要な対策の一つです。
具体的なアップデートの実践方法
この講座の第3回「管理画面ガイド」でも詳しく解説しましたが、WordPressの管理画面にある「更新」というメニュー項目を定期的に、できれば毎日、少なくとも週に数回はチェックし、利用可能なアップデートがあれば、できるだけ速やかにそのアップデート作業を実行するようにします。
繰り返しになりますが、WordPress本体、テーマ、プラグインのいずれかをアップデートする作業を行う前には、必ずWebサイト全体の完全なバックアップを取るという習慣を、絶対に身につけましょう。
これにより、万が一、アップデート作業によって予期せぬ不具合、例えば、サイトが表示されなくなる、一部の機能が正常に動作しなくなるなどの不具合が発生した場合でも、安全に、そして比較的簡単に元の正常な状態にWebサイトを復元することができます。
定期的なバックアップの重要性と実行方法 ~エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ!などが提供する自動バックアップ機能も確認しよう~
万が一、WordPressサイトがハッキングされてWebサイトの内容が改ざんされてしまったり、利用しているレンタルサーバーのハードウェア障害でデータが破損してしまったり、あるいはうっかりとした誤操作で重要な記事や設定を削除してしまったりした場合でも、事前にWebサイトの完全なバックアップさえ取っておけば、そのバックアップデータを使って、Webサイトを元の正常な状態に復元することができます。
バックアップは、あらゆるセキュリティ対策を講じてもなお発生しうる、予期せぬ不測の事態に備えるための、まさに「最後の砦」であり、最も重要な保険と言えるでしょう。
バックアップの具体的な実行方法とポイント
レンタルサーバーが提供するバックアップ機能の積極的な活用
この講座の第2回「レンタルサーバー選び」でもご紹介した、主要なレンタルサーバー(エックスサーバー
、ConoHa WING
、ロリポップ!
、さくらのレンタルサーバ
、mixhost
など、多くのサービス)の多くは、自動で定期的にWordPressサイトのバックアップを取得してくれる、非常に便利な機能を提供しています。
まずは、現在契約しているレンタルサーバーの管理画面(コントロールパネル)で、そのような自動バックアップ機能が提供されているかを確認し、もし提供されていれば、その設定が有効になっているか、バックアップの頻度や保存期間は適切かなどを確認しておきましょう。
WordPress専用バックアッププラグインの利用
第7回「プラグイン」の回でもご紹介した、「UpdraftPlus WordPress Backup Plugin」や「BackWPup」といった、WordPress専用の非常に高機能なバックアッププラグインを利用すれば、より詳細なバックアップのスケジュール設定や、取得したバックアップデータの保存先として、WordPressサイトが設置されているサーバーとは物理的に異なる、Dropbox、Google Drive、Amazon S3、Microsoft OneDriveといった主要な外部のクラウドストレージサービスへの自動アップロードなどが、比較的簡単に行えます。
これにより、サーバー障害時にもバックアップデータが安全に保護されます。
バックアップを取得する理想的な頻度
Webサイトの記事など更新頻度にもよりますが、少なくとも週に1回、重要なデータを頻繁に更新するようなWebサイト、例えば、ECサイトや活発なコミュニティサイトなどであれば、毎日バックアップを取得するのが理想的です。
復元テストの実施の重要性(可能であれば)
バックアップデータをただ取得しているという事実に安心するだけでなく、実際にその取得したバックアップデータを使って、WordPressサイトを正しく、そして完全に元の状態に復元できるかどうかを確認するための「復元テスト」を、事前にテスト用の環境、例えば、後述するローカル開発環境などで試してみることが、実は非常に重要です。
なぜなら、いざという時に復元手順が分からなかったり、あるいは取得していたバックアップデータが何らかの理由で破損していて正常に復元できなかったりしては、せっかくバックアップを取っていた意味がなくなってしまうからです。
WordPressログインURLの変更・二段階認証導入で不正アクセスを防ぐ(セキュリティプラグイン活用)
WordPress管理画面へのログインURLの変更
WordPressのデフォルト(初期設定)のログインページのURL、つまり、https://ドメイン名/wp-login.php、https://ドメイン名/wp-admin/は、世界中のWordPressサイトで共通のため、広く知られています。
そのため、悪意のある第三者や自動化されたプログラム(ボット)が、これらの既知のURLに対してブルートフォースアタック、つまりユーザー名とパスワードの組み合わせを総当たりで試行する攻撃などの不正なログイン試行を仕掛けてくる際の、最初の標的となりやすいです。
このログインページのURLを、独自のURL(例えば、htts://ドメイン名/gb1Qvr43z8Rp74のような推測されにくいもの)に変更することで、攻撃のリスクを大幅に減らすことができます。
このログインURLの変更は、例えばSiteGuard WP Pluginといった、多くのWordPress向けセキュリティ対策プラグインに、比較的簡単な設定で導入できる機能として備わっています。
二段階認証(2FA:Two-Factor Authentication)の導入
通常のユーザー名とパスワードによるログイン認証に加えて、さらにもう一つの認証方法の入力を必須にすることで、たとえユーザー名とパスワードが何らかの形で第三者に漏洩してしまったとしても、その確認コードがなければログインできないため、第三者による不正なログインを効果的に防ぐことができ、WordPressサイトのセキュリティを飛躍的に強化できます。
例えば、スマートフォンにインストールしたGoogle AuthenticatorやAuthyなどの認証アプリで生成される、一定時間ごとに変わる一時的な確認コード(ワンタイムパスワード)をログイン認証に追加する方法です。
この二段階認証の設定方法も、例えばWordfence SecurityやGoogle Authenticatorプラグインといった、多くのセキュリティプラグインを利用することで、比較的簡単にWordPressサイトに導入・設定することが可能です。
利用レンタルサーバー提供のセキュリティ機能(WAF・不正侵入検知・国外IP制限等)の効果と設定
最近の高機能なレンタルサーバーの多くでは、WordPressサイト自体のセキュリティ対策に加えて、サーバー側で提供される様々なセキュリティ機能も充実してきています。これらのサーバーレベルの保護機能を活用することも、Webサイトの安全性を高める上で非常に有効です。
WAF (Web Application Firewall) とは何か、そしてその効果
WAF(ワフ)とは、Webアプリケーションの脆弱性を狙った様々な種類のサイバー攻撃のパターンを検知し、それらの攻撃トラフィックを自動的に防御してくれる、専門的なファイアウォールの一種です。
サイバー攻撃には、例えば、データベースへの不正な命令の注入であるSQLインジェクションや、悪意のあるスクリプトの埋め込みであるクロスサイトスクリプティングといった攻撃があります。
WAFとは何か、その具体的な効果を理解し、契約しているレンタルサーバーでWAF機能が提供されているのであれば、ぜひその機能を有効にしておくことをおすすめします。
不正侵入検知・防御システム (IDS/IPS)
WordPressサイトが設置されているサーバーへの不正なアクセスや、既知の攻撃パターンを持つ通信の試みをリアルタイムで検知し、必要に応じてそれらの通信を自動的にブロックしたり、Webサイト管理者に警告を発したりするシステムです。
国外のIPアドレスからのアクセス制限
WordPressサイトが、主に日本国内の訪問者をターゲットとしており、海外からのアクセスがほとんどなかったり、まったく想定していないという場合、特にWordPressの管理画面へのアクセスを、海外のIPアドレスから一括で制限することで、海外からの自動化された不正アクセス試行の多くを効果的にブロックできることがあります。
多くのレンタルサーバーでは、コントロールパネルからこの設定を簡単に行える機能を提供しています。
サーバー側で提供されるセキュリティ機能が、現在契約しているレンタルサーバーで利用可能かどうか、そしてそれらをどのように設定・活用できるかについては、レンタルサーバー会社の公式サイトやヘルプドキュメント、あるいはサポート窓口に問い合わせるなどして確認し、積極的に活用することを検討しましょう。
マルウェアスキャンと対処のやり方
ウイルス、ワーム、トロイの木馬といった、悪意のある不正なソフトウェアやプログラムの総称を「マルウェア」と言い、もし、WordPressサイトがこういったマルウェアに感染してしまうと、非常に深刻な被害が発生することがあります。
例えば、Webサイトの見た目が勝手に改ざんされたり、訪問者のコンピューターにまでマルウェアが感染する危険なサイトになってしまったり、Webサイトに保存されている重要な個人情報や顧客情報が盗み出されたり、他のWebサイトへのサイバー攻撃の踏み台として悪用されたりといった例があります。
マルウェアスキャンの具体的なやり方
WordPressセキュリティプラグインの利用
Wordfence SecurityやSucuri Securityといった、高機能な総合セキュリティプラグインの多くには、あなたのWordPressサイトを構成する全てのファイルやデータベースをスキャンして、既知のマルウェアや不審なコード、あるいは改ざんされた箇所などが潜んでいないかをチェックする「マルウェアスキャン機能」が搭載されています。
これらのプラグインを導入し、定期的にWebサイト全体をスキャンすることを習慣にしましょう。
オンラインの無料マルウェアスキャンツールの利用
例えば、Sucuri SiteCheckのような無料のオンラインスキャンツールを利用して、既知のマルウェアに感染していないか、あるいは主要なセキュリティベンダーのブラックリストにWebサイトが登録されていないかなどを、簡易的にチェックすることもできます。
万が一マルウェアの感染が疑われる場合や、実際に検出された場合の基本的な対処
もしマルウェアに感染している疑いがある場合や、スキャンツールで実際にマルウェアが検出された場合は、慌てずに、しかし迅速に以下の対応を検討しましょう。
WordPressセキュリティの専門家への相談
ご自身での対処が難しいと感じた場合は、WordPressのセキュリティ対策に詳しい専門家や、セキュリティ対策サービスを提供している企業に、速やかに相談することを強くおすすめします。
クリーンなバックアップデータからのWebサイト復元
定期的に取得している、マルウェアに感染する前の安全な状態のバックアップデータがあれば、Webサイト全体をそのバックアップデータから復元するのが、最も確実で安全な対処法の一つです。
感染したファイルの特定と手動での駆除(上級者向け)
高度な専門知識があれば、マルウェアに感染したファイルやコードを特定し、手動でサーバーから削除したり、修正したりすることも不可能ではありませんが、この作業は非常に高度な技術と細心の注意が必要であり、誤った操作はWebサイトの状態をさらに悪化させる可能性があるため、基本的には専門家に任せるのが賢明です。
ファイルパーミッションの適切な設定と確認方法(上級者向け)
WordPressを構成しているサーバー上の各ファイルやディレクトリには、それぞれ「パーミッション」が設定されており、そのファイルやディレクトリに対し、誰がどのような操作を許可するかを、数値で細かく制御しています。
このファイルパーミッションの設定が不適切に緩すぎると、例えば、誰でも重要なファイルに書き込めるような設定になっていると、セキュリティ上の大きな脆弱性となる可能性があるため、WordPressが推奨する適切な設定値になっているかを確認し、必要であれば修正することが望ましいです。
ただし、このファイルパーミッションの設定変更は、通常、FTP接続やSSH接続などを使ってWordPressサイトが設置されているサーバーに直接アクセスして行う必要があり、ある程度の専門的な知識が求められます。
また、誤ったパーミッション設定を行うと、Webサイトが正常に表示されなくなったり、WordPressの機能が正しく動作しなくなったり、あるいはセキュリティ上の問題が逆に悪化したりする可能性もあるため、WordPress初心者の方は、無理にご自身でこのファイルパーミッションの設定を直接触ろうとせず、基本的には契約しているレンタルサーバーのデフォルト設定や、信頼できるセキュリティプラグインが提供する、パーミッションをチェックして問題があれば警告してくれる機能などに任せるのが、最も安全で無難です。
WordPressコメントスパム対策の基本~迷惑コメントを防ぐ設定とプラグイン~
WordPressサイトで、訪問者からのコメントを受け付ける機能を開放している場合、残念ながら、記事の内容とは全く関係のない広告宣伝目的のコメントや、海外からの自動化されたプログラム(ボット)によって投稿される、意味不明な文字列や悪質なリンクを含む大量の迷惑コメントが、日々投稿されてくることがあります。
これらのスパムコメントは、Webサイトの見た目や品位を損ねるだけでなく、コメント欄を読んでいる他の訪問者に不快感を与えたり、コメント内に悪質なWebサイトへのリンクが含まれている場合はセキュリティ上のリスクになったりする可能性もあります。
Akismet Anti-spamなどのスパム対策プラグイン導入とAPIキー設定
Akismet Anti-spam: Spam Protectionの活用
WordPressをインストールすると、大抵は標準でこの「Akismet Anti-spam: Spam Protection」プラグインが同梱されています。
このプラグインは、WordPressの開発元であるAutomattic社が提供しており、世界中の膨大なスパムコメントのデータを基に学習し続ける、非常に強力で信頼性の高いスパムコメント自動フィルタリングサービスです。
基本的な使い方
このプラグインを有効化すると、Akismetの公式ウェブサイトで「APIキー」という特別な認証コードを取得し、WordPressサイトのAkismet設定画面でそのAPIキーを入力する必要があります。
個人利用のブログを運営している場合は、このAPIキーは無料で取得することができますが、商用利用の場合は有料プランの契約が必要です。
設定が完了すれば、AkismetがWebサイトに投稿された全てのコメントをバックグラウンドで自動的にチェックし、スパムと判定されたものを専用の「スパム」フォルダに自動的に振り分けてくれます。
※ここにWordPressの管理画面でAkismetプラグインのAPIキーを設定する画面のスクリーンショット◀◀◀◀◀ 05 OK

その他のスパム対策プラグインの選択肢
Akismet以外にも、例えば「Invisible reCAPTCHA for WordPress」や「Antispam Bee」といった、WordPress向けの人気のスパム対策プラグインも存在します。
Invisible reCAPTCHAは、Googleが提供しているreCAPTCHAの、訪問者には見えない形で動作するバージョンを利用して、主にボットによる自動化されたスパム投稿を効果的に防ぐものです。
Antispam Beeは、プライバシー保護に配慮した設計で、多くの異なるルールや手法を組み合わせてスパムコメントを判定する、多機能なプラグインです。
WordPress標準のディスカッション設定(コメント承認制・ブラックリスト)の活用
専用のスパム対策プラグインを導入するだけでなく、WordPressの標準機能として備わっている「ディスカッション設定」の項目を適切に行うことでも、コメントスパムへの具体的な対策として、ある程度の効果を期待することができます。
これらの設定は、プラグインと組み合わせて利用することで、より強固なスパム対策を実現できます。
設定を行う場所
WordPressの管理画面にログインした後、画面左側にあるメインナビゲーションメニューの中から「設定」という項目にマウスカーソルを合わせるかクリックし、表示されるサブメニューから「ディスカッション」を選択して開きます。
特に有効な設定例
「コメントの手動承認を必須にする」オプションにチェックを入れる
この設定を有効にすると、Webサイトに投稿された全てのコメントは、Webサイトの管理者であるあなたが内容を一つ一つ確認し、「承認」操作を行わない限り、Webサイト上に一般公開されなくなります。
これにより、スパムコメントがWebサイトに表示されるのを確実に防ぐことができますが、コメントが多く寄せられる活発なWebサイトでは、管理者の承認作業の手間が増えるという側面もあります。
「コメントの投稿者の名前とメールアドレスの入力を必須にする」オプションにチェックを入れる
完全に匿名のユーザーからのコメント投稿を防ぐことができます。スパムボットは、しばしばこれらの情報を入力せずに投稿を試みることがあります。
「コメントモデレーション」の設定
ここでは、例えばコメント内に指定数のリンク(URL)が含まれている場合や、あらかじめ指定したキーワードがコメント本文、投稿者名、メールアドレスなどに含まれている場合に、そのコメントを自動的に承認待ちの状態にする(モデレーションキューに入れる)ように設定できます。
「コメント内で許可されないキーワード」の設定
ここでは、指定したIPアドレスからの投稿、指定したURLを含む投稿、指定したメールアドレスからの投稿、指定したキーワードなどを含むコメントを、投稿された時点で自動的にゴミ箱に移動してしまうように設定ができます。
※ここにWordPressの「設定」>「ディスカッション」画面で、コメントの手動承認オプションや、コメントブラックリストの入力欄など、関連する設定項目が分かりやすく示されているスクリーンショット◀◀◀◀◀ 06 OK

これらのスパム対策専用のプラグインと、WordPressが標準で提供しているディスカッション設定の各オプションを、Webサイトの状況や運営方針に合わせて適切に組み合わせることで、WordPressサイトを迷惑なスパムコメントから効果的に守り、読者にとって快適で安全な、そして建設的なコミュニケーションが可能なコメント欄を維持することができるようになります。
もちろん、コメントを受け付けない運用をしていて、WordPressの設定でコメントを無効にしていれば、コメントスパムを心配する必要はありません。
次回予告:WordPressサイト運営・収益化・ステップアップ術【最終回】
お疲れ様でした!第9回では、WordPressサイトをより多くの人々に効果的に見てもらうための「基本的なSEO(検索エンジン最適化)対策」と、大切なWebサイトをインターネット上に潜む様々な脅威から確実に守るための「基本的なセキュリティ対策」という、Webサイト運営を継続していく上で避けては通れない、非常に重要な2つの大きなテーマについて詳しく学びました。
どちらの対策も、一度設定したら終わりというものではなく、Webサイトを運営し続ける限り、常に最新の情報を意識し、継続的に取り組んでいく必要があるものです。
今日あなたが学んだこれらの基本的な知識と具体的な実践方法を、一つ一つあなたのサイトに取り入れていくことで、あなたのWordPressサイトは、より多くの人々に見つけてもらいやすくなり、そしてより安全で信頼性の高いものへと着実に成長していくはずです。
さて、いよいよ次回は、この「WordPressマスターへの道」全10回講座の、記念すべき最終回となります!
第10回「WordPressサイト運営・収益化・ステップアップ術【最終回】」では、これまで熱心に、そして着実に学んできたWordPressに関する全ての知識とスキルを確かな土台として、これからWordPressサイトを長期的に、そして何よりも楽しみながら運営していくための具体的なヒント、読者の心を掴んで離さない魅力的なブログ記事のネタ探しのコツ、Webサイトを訪れてくれる読者との間に温かいコミュニケーションを育んでいくための具体的な方法、そして多くの方が関心を持つであろう、WordPressサイトを通じて収益を得るための基本的な考え方や代表的な手法、さらにはWordPressに関するスキルや知識をさらに高いレベルへとステップアップさせていくための具体的な学習方法や有用なリソースまで、まさに盛りだくさんの充実した内容でお届けする予定です。
この講座の最終回にふさわしく、これからのWordPressライフが、さらに充実し、そして大きく発展していくための、確かな道しるべとなるような、実践的で価値のある情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください!どうぞお楽しみに!