WordPressマスターへの道 3 – 初心者向け全10回講座

WordPressサイト運営の管制塔!管理画面をマスターして可能性を広げよう

前回の講座で、ついに自分だけのWordPressサイトを立ち上げることに成功しましたね。おめでとうございます!

しかし、Webサイトを立ち上げただけでは、まだ真っ白なキャンバスに絵筆を置いたばかりの状態です。これからそのキャンバスに、ご自身の想いや考えを自由に描いていくためには、WordPressという画材道具の「使い方」をしっかりとマスターする必要があります。

その全ての操作の起点となるのが、WordPressの管理画面の「ダッシュボード」です。

ここは、Webサイトの「コックピット」や「管制塔」と言えるかもしれません。記事の作成からデザインの変更、機能の追加、各種設定まで、Webサイト運営に関するあらゆる指示はここから発信されます。

「でも、管理画面ってメニューがたくさんあって、何が何だか分からない…」
「どこをどう操作すれば、自分のやりたいことができるの?」

ご安心ください。この記事では、WordPress初心者の方が管理画面の全体像をスムーズに把握し、主要な機能を自信を持って操作できるようになるための完全ガイドをお届けします。

基本的な管理画面のカスタマイズ方法にも触れ、ご自身にとって使いやすい作業環境を整えるお手伝いをします。

これらの機能をフルに活用できる安定したWordPress環境、つまり、信頼できるレンタルサーバーがあれば、Webサイトの可能性は無限に広がります。

さあ、WordPressサイト運営の第一歩を踏み出しましょう!

この記事であなたが学べること

この記事を最後までお読みいただくことで、WordPress管理画面に関する以下の重要な知識とスキルを習得し、ご自身のWebサイトを効果的に管理・運営できるようになります。

  • WordPressの管理画面へ安全にログインする方法と、ログイン後に表示されるダッシュボード全体の基本的な画面構成(ヘッダー、メインナビゲーション、作業エリア)を明確に把握します。
  • 「投稿」「メディア」「外観」「プラグイン」「設定」といった、サイト運営に不可欠な主要ナビゲーションメニューがそれぞれどのような役割を持ち、具体的にどのような操作ができるのかを網羅的に理解します。これには、次回の「投稿エディターの使い方」への導入、基本的な「メディアライブラリの整理術」「固定ページの使い分け」の理解、「コメント管理とスパム対策」の初歩、「テーマ設定変更の基本」「プラグイン管理」の方法、「ユーザー権限の種類」の把握、そして「サイトヘルスチェックのやり方」「パーマリンク構造とSEO」の関連性の再確認などが含まれます。
  • 管理画面の右上にある「表示オプション」や「ヘルプ」といった便利な機能を活用して、作業環境をより使いやすいようにカスタマイズしたり、操作に迷った際に役立つヒントを得たりする方法を学びます。
  • WordPressサイトを日常的に運営していく上で中心となる様々な操作を、迷うことなく自信を持って行えるようになり、Webサイトを思い通りにコントロールするための確かな基盤を築きます。

WordPress管理画面へのログイン方法と基本画面構成

まずは、WordPressサイトの管制塔である管理画面にアクセスするためのログイン方法と、ログイン後に最初に表示されるダッシュボードの基本的な画面構成について、具体的に見ていきましょう。

WordPressログインURLの確認方法とブックマーク

WordPressをレンタルサーバーにインストールすると、そのWordPressサイトの管理画面へアクセスするための専用のログインURLが自動的に生成されます。通常、このログインURLは、以下のいずれかの形式になっています。

  • https://ドメイン名/wp-admin/
    • 例: https://your-name-or-company.com/wp-admin/
  • https://ドメイン名/wp-login.php
    • 例: https://your-name-or-company.com/wp-login.php

このログインURLは、Webサイトを運営していく上で頻繁にアクセスすることになる非常に重要なアドレスです。そのため、お使いのWebブラウザのブックマーク(お気に入り)に登録しておくことをおすすめします。これにより、次回以降、簡単かつ迅速に管理画面へアクセスできるようになります。

このログインURLにWebブラウザでアクセスすると、ユーザー名またはメールアドレスとパスワードを入力するログイン画面が表示されます。ここには、WordPressをインストールする際にご自身が設定した管理者用のユーザー名またはメールアドレスとパスワードを正確に入力します。

レンタルサーバーでのWordPressログイン

ユーザー名とパスワードを正しく入力し、「ログイン」ボタンをクリックすると、WordPressサイトの管理画面のトップ「ダッシュボード」が表示されます。

ダッシュボードの全体像
ヘッダー・メインナビゲーション・作業エリア解説

WordPress管理画面のダッシュボードは、大きく分けて以下の3つの主要なエリアで構成されています。これらの各エリアがどのような役割を持っているのかを最初に把握しておくと、その後の操作が格段にスムーズになります。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面ダッシュボード(ホーム)

ヘッダー(画面上部の横長のエリア)

画面の一番上に表示されるこのエリアには、WordPressのロゴマーク、管理しているWebサイトのサイト名、投稿記事、メディアファイル、固定ページ、新規ユーザーなどの新しいコンテンツを素早く追加するための「+ 新規」といったメニュー、新しいコメントが投稿された際の通知、そしてご自身のプロフィール情報を編集する画面へのリンクなどが、横一列にコンパクトに並んで表示されています。

また、Webサイトの訪問者が見る実際の公開画面と、この管理画面を簡単に行き来するための便利なリンクも、通常このヘッダーエリアに用意されています。

メインナビゲーション(画面左側の縦長のエリア)

画面の左側に縦にリスト形式で並んでいるこのエリアは、WordPressが持つ様々な主要な機能へアクセスするための、メニューバー、メニューカラムです。

「投稿」「メディア」「固定ページ」「コメント」「外観」「プラグイン」「ユーザー」「ツール」「設定」といった、Webサイトを運営していく上で中心となるありとあらゆる操作は、基本的にこの左側、左カラムのメインナビゲーションから、該当するメニュー項目を選択して行います。

各メニュー項目にマウスカーソルを合わせると、さらに詳細な操作を行うためのサブメニューが展開されて表示される項目もあります。

作業エリア(画面中央の最も広いエリア)

このエリアは、メインナビゲーションで選択したメニュー項目に応じ、その具体的な内容が表示され、記事を書いたり、画像を追加したり、デザインを変更したり、設定を調整するなど、実際の様々な作業を行う場所となります。

例えば、メインナビゲーションで「投稿」メニューを選べば、これまで作成した記事の一覧や、新しい記事を作成するための編集画面がこの作業エリアに表示されますし、「設定」メニューを選べば、WordPressサイト全体の様々な設定項目がリストアップされて表示されます。

なお、WordPressの管理画面にログインした直後に最初に表示される「ホーム」画面(ダッシュボード→ホーム)では、公開済みの投稿記事の数や固定ページの数、承認待ちのコメント数などのWebサイトの現況や、最近のコメント、WordPressの公式ニュースなどの、WordPressに関する最新のアクティビティが、いくつかの小さな情報ブロック(ウィジェット)の形で、それぞれまとまって表示されています。

ダッシュボード上に表示されるこれらのウィジェットは、後ほど詳しく説明する「表示オプション」という機能を使って、表示したい項目を選んだり、不要な項目を非表示にしたり、あるいはドラッグ&ドロップで好きな位置に配置を入れ替えたりするなど、ある程度のカスタマイズが可能です。

最初は多くのメニューや情報があって少し圧倒されるかもしれませんが、それぞれのエリアがどのような役割を持っていて、どんな情報が集約されているのかを大まかに把握すれば、どこで何をすれば良いのか、次第に直感的に理解できるようになりますので、どうぞご安心ください。

WordPress主要メニュー徹底解説!各機能の役割と使い方

ここからは、画面左側のメインナビゲーションに並んでいる、WordPressの主要なメニュー項目について、それぞれがどのような役割を持ち、基本的な使い方はどうすれば良いのかを、一つずつ具体的に、そして分かりやすく見ていきましょう。

これらの主要メニューの機能をしっかりと理解すれば、WordPressの基本的な操作はほぼマスターしたと言っても過言ではありません!

レンタルサーバーでのWordPress管理画面メニュー

「ホーム」

サイト概況とWordPress最新情報を一目で確認

WordPressの管理画面にログインして最初に表示されるのが、この「ホーム」画面です。Webサイト運営の出発点となります。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面ダッシュボード

主な役割

公開済みの投稿記事の総数、固定ページの総数、承認待ちのコメントの数など、WordPressサイトの現在の全体的な状況を、「概要」ウィジェットで一目で簡単に確認できます。

また、「サイトヘルスステータス」ウィジェットでは、表示速度などWebサイトのパフォーマンスや、セキュリティに関する重要な通知や改善提案が表示されることもあります。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面、サイトヘルスステータス、アクティビティなど

さらに、最近公開した記事や、新しく投稿されたコメントなど、最近のWebサイトのアクティビティや、WordPressの公式サイトからの最新ニュース、あるいはWordPress関連のイベント情報などが表示されることもあります。

基本的な使い方

この「ホーム」画面で、直接何か特別な操作を行う必要は基本的にありません。

しかし、Webサイトの全体的な状況を素早く把握したり、WordPressコミュニティからの重要な最新情報をチェックしたりするのに非常に役立ちます。

なお、この画面に表示されている各情報ブロック(ウィジェット)は、マウスでドラッグ&ドロップすることで、見やすいように好きな位置に入れ替えることができます。

また、画面右上の「表示オプション」というタブをクリックすることで、どのウィジェットを表示し、どのウィジェットを非表示にするかを、ご自身で選択してカスタマイズすることも可能です。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面ダッシュボードの表示オプション

「更新」

WordPress本体・テーマ・プラグインの安全なアップデート方法

WordPressは、そのセキュリティを常に最新の状態に保ち、新しい機能を追加し、既存の不具合を修正するために、定期的に、WordPress本体のソフトウェア、Webサイトのデザインに使用しているテーマ、Webサイトの機能拡張のためにインストールしている各種プラグインのアップデート版が、開発者から提供されます。

レンタルサーバーでのWordPressの更新

主な役割

WordPress本体のソフトウェア、Webサイトにインストールされているテーマ、各種プラグインに、新しいバージョンがリリースされた際、その情報を通知し、これらのアップデート作業を安全かつ簡単に行うための場所です。

基本的な使い方

メインナビゲーションの「更新」というメニュー項目の横に、利用可能なアップデートの数である、赤丸の数字が表示されていたら、それはWebサイトの本体・テーマ・プラグイン・翻訳に、利用可能な新しいアップデートがあるという重要なサインです。

「更新」メニューをクリックすると、現在アップデートが必要な項目の一覧が詳しく表示されます。

アップデートしたい項目を選択し、「[該当する項目名]を更新」といった主旨のボタンをクリックするだけで、WordPressが自動的に必要なファイルをダウンロードし、アップデート作業を実行してくれます。

非常に重要な注意点

WordPress本体、テーマ、プラグインのいずれかをアップデートする作業を行う前には、万が一、そのアップデートによって、サイトのデザインが崩れてしまったり、ある機能が正常に動作しなくなったり、最悪の場合Webサイトが表示されなくなるなど、予期せぬ不具合が発生した場合に備えて、必ずWebサイト全体のデータベースを含めたバックアップを取っておくことを推奨します。

バックアップの方法については、この講座の第9回で詳しく解説しますが、この「アップデート前のバックアップ」はWordPressサイト運営における鉄則の一つとして覚えておいてください。

「投稿」

ブログ記事の作成・編集・カテゴリーとタグの設定・公開手順

WordPressサイトで、日々の情報発信の中心となるブログ記事を作成したり、作成済みの記事を管理したりするための、最も頻繁に利用することになる、非常に重要なメニューです。

レンタルサーバーでのWordPress記事投稿

主な役割

新しいブログ記事を作成したり、過去に作成した記事の内容を編集したり、不要になった記事を削除したりといった、記事コンテンツに関する全ての操作を行います。

また、作成した記事を内容やテーマごとに分かりやすく分類するための「カテゴリー」を設定・管理したり、記事に関連するキーワードを設定する「タグ」を管理したりする機能も、この「投稿」メニューの中に含まれています。

主要なサブメニューと基本的な使い方

投稿一覧

これまでにWordPressサイトで作成された全てのブログ記事が、リスト形式で一覧表示されます。

この画面から、各記事のタイトルをクリックして編集画面を開いたり、記事をゴミ箱に移動して削除したり、実際にWebサイト上でどのように表示されるかをプレビュー(事前の表示確認)したりといった、様々な操作が可能です。

新規追加

新しいブログ記事を作成するための専用の編集画面(エディタ画面)が開きます。

現在のWordPressでは、「ブロックエディタ」(Gutenberg)という、非常に高機能で直感的なエディタを使って記事を執筆していくことになります。

どのように文章を入力するのか、見出しや画像をどうやって挿入するのか、様々な表現を可能にするブロックの種類と操作方法など、このブロックエディタ、WordPressの投稿エディターの使い方については、次回の第4回講座で、実際に記事を作成する手順を追いながら、じっくりと実践的に解説していきますので、どうぞご期待ください。

ここでは、新しい記事を作成するための出発点となる場所であると覚えておきましょう。

カテゴリー

「カテゴリー」は、作成する記事を、大きなテーマやジャンルごとに分類するためのものです。

例えば、Webサイトのテーマが「日々の料理レシピ」であれば、「和食」「洋食」「中華」「デザート」といった分類が考えられるでしょう。

ここで新しいカテゴリーを作成したり、既存のカテゴリー名を編集したり、不要になったカテゴリーを削除したりといった管理作業を行います。

タグ

「タグ」は、記事の内容に、さらに細かいキーワードや具体的なトピックを設定するためのものです。

例えば、「和食」カテゴリーに属する「肉じゃがの作り方」という記事に対して、「じゃがいも」「煮物」「家庭料理」といったタグを付けるなどが考えられます。

ここで新しいタグを作成したり、既存のタグを管理したりします。

記事の具体的な作成方法や編集テクニックについては、次回の第4回講座で、実際に手を動かしながら詳しく学んでいきます。

「メディア」

画像・動画ファイルのアップロード・編集・管理方法(メディアライブラリ)

作成する記事や固定ページの中で使用する、画像(写真やイラストなど)、動画ファイル、音声ファイル、PDF文書といった、様々な種類のメディアファイルをWordPressサイトにアップロードし、それらを一元的に保存・管理する場所です。この機能全体を一般的に「メディアライブラリ」と呼びます。

レンタルサーバーでのWordPressメディアライブラリ

主な役割

お使いのパソコンから、画像や動画などの各種メディアファイルをWordPressサイトに簡単にアップロードします。

そして、これまでにアップロードした全てのメディアファイルの一覧(ライブラリ)を表示し、各ファイルに付随するタイトル、キャプション、後述する非常に重要な「代替テキスト」などの情報を編集したり、不要になったメディアファイルをWebサイトから完全に削除したりします。

主要なサブメニューと基本的な使い方

ライブラリ

WordPressサイトにアップロードされた全てのメディアファイルが、サムネイルが並ぶグリッド表示、または詳細情報付きのリスト形式で一覧表示されます。

この画面では、ファイル名でメディアファイルを検索したり、アップロードした日付や画像、動画、音声、文書などのファイルの種類で、表示するファイルを絞り込むこともできます。

新規追加

お使いのパソコンから新しいメディアファイルをWordPressサイトにアップロードするための専用画面が開きます。

この画面では、ファイルを指定してアップロードするだけでなく、アップロードしたいファイルをマウスでドラッグ&ドロップするだけでも簡単にアップロードできます。

補足情報

記事を作成する際の編集画面(ブロックエディタ)からも、直接メディアファイルをアップロードして記事内に挿入できるため、実際にはそちらの機能を利用する機会の方が多いかもしれません。

しかし、メディアライブラリの画面では、アップロード済みの全てのメディアファイルを一元的に管理・確認できるというメリットがあります。

メディアファイルが増えてくると、目的のファイルを探したり、管理したりするのが煩雑になりがちです。基本的なメディアライブラリの整理術としては、画像をアップロードする際に、後で見て内容が分かりやすいようにファイル名を工夫しておくことや、各画像に適切な代替テキストや説明文をしっかりと入力しておくことが挙げられます。

メディアファイルをフォルダ構造で管理するなど、より高度な分類・整理を行いたい場合には、専用のWordPressプラグインの導入を検討することもありますが、まずは基本的な情報管理を丁寧に行うことが大切です。

WordPressサイトでメディアファイルを効果的に活用し、記事をより魅力的にする方法については、この講座の第8回で詳しく解説しますので、そちらもぜひご覧ください。

「固定ページ」

会社概要・お問い合わせなど、独立ページの作成・管理方法

ブログ記事は、新しい情報が追加されるたびに新しいものが上に表示され、古いものは過去の記事としてアーカイブされていくような、時系列で流れていくコンテンツです。

一方、「固定ページ」は、WordPressサイト内で、時間の流れに左右されない独立した情報ページ、例えば、企業のWebサイトであれば「会社概要」「事業内容」「プライバシーポリシー」「お問い合わせ」、個人ブログであれば「運営者プロフィール」といったページなどを作成し、管理するための専用メニューです。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面の固定ページ

主な役割

新しい固定ページを作成したり、既に作成済みの固定ページの内容を編集したり、あるいは不要になった固定ページをWebサイトから削除したりといった、固定ページに関する全ての管理作業を行います。

主要なサブメニューと基本的な使い方

固定ページ一覧

WordPressサイトで作成された全ての固定ページが、リスト形式で一覧表示されます。

この画面から、各固定ページのタイトルをクリックして編集画面を開いたり、固定ページをゴミ箱に移動して削除したり、Webサイト上でどのように表示されるかをプレビューしたりといった操作が可能です。

新規追加

新しい固定ページを作成するための専用の編集画面(エディタ画面)が開きます。

記事を作成する場合と同様に、現在のWordPressの標準エディタである「ブロックエディタ」を使用して、文章や画像、その他の要素を組み合わせてコンテンツを作成していきます。

「投稿」との明確な違いと、固定ページの使い分け

ブログ記事である「投稿」と「固定ページ」の最も大きな違い、そして固定ページの使い分けを考える上での重要なポイントは、固定ページが主に、Webサイト内で普遍的であったり、階層的に整理されたりする情報を掲載するのに適しているという点です。

例えば、企業のWebサイトであれば、「会社概要」「事業内容」「製品・サービス一覧」「採用情報」といった、Webサイトの基本的な骨格となるような情報は、通常、固定ページで作成します。

これらの固定ページは、ブログ記事のように日付順に並ぶのではなく、Webサイトのヘッダーメニューやフッターメニューなどの、主要なナビゲーションメニューから直接リンクされるのが一般的です。

この「投稿」と「固定ページ」の具体的な違いや、それぞれの効果的な使い分け方については、次回の第4回講座(記事作成の基本)で、さらに詳しく具体例を交えながら説明します。

「コメント」

読者コメントの承認・返信・スパム対策・管理方法

WordPressサイトで公開している記事や固定ページに対して、訪問者(読者)から寄せられた貴重なご意見やご感想、ご質問といった「コメント」を、一元的に管理するための場所です。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面でコメントを管理する

主な役割

Webサイトに新しいコメントが投稿されると、その通知を受け取り、投稿されたコメントの内容を確認します。

そして、そのコメントを承認してWebサイト上に公開したり、コメントに対して返信したり、あるいは不適切と判断したコメントや明らかに迷惑なスパムコメントとしてマークしたり(スパムについては後述します)、Webサイトから完全に削除したりといった、一連のコメント管理作業を行います。

基本的な使い方

Webサイトに新しいコメントが投稿されると、通常、管理画面の「コメント」メニューの横に、未承認のコメント数などが通知として表示されます。

「コメント」メニューをクリックすると、これまでに寄せられた全てのコメントがリスト形式で一覧表示され、各コメントに対して「承認」「返信」「クイック編集」「編集」「スパム」「ゴミ箱へ移動」といった、様々な操作を簡単に行うことができます。

健全で活気のあるWordPressサイトを運営していくためには、定期的にこのコメント欄をチェックし、読者からの貴重な声に耳を傾け、できる限り丁寧に対応し、建設的なコミュニケーションを育むことが非常に大切です。

同時に、Webサイトの品位を損ねるような不適切なコメントや、訪問者を惑わせるような悪質なスパムコメントに対しては、断固として適切な処置を施す必要があります。

このコメント管理とスパム対策は、Webサイトの信頼性を保ち、訪問者にとって快適なコミュニティ空間を維持する上で、欠かすことのできない重要な作業です。

WordPressの標準機能でも、特定のIPアドレスからの投稿をブロックしたり、特定のキーワードを含むコメントを自動的にフィルタリングしたりするなどの、ある程度のスパム対策は可能ですが、より強力で効率的な対策のためには、専用のスパム対策プラグイン(WordPressに標準で同梱されていることが多い「Akismet Anti-spam」など)の導入を検討すると良いでしょう。

このコメントスパム対策については、この講座の第9回(セキュリティ対策)でも改めて詳しく触れます。

「外観」

WordPressサイトのデザイン変更(テーマ・エディター・カスタマイズ・ウィジェット・メニュー)

「外観」は、WordPressサイト全体の見た目、つまりデザインやレイアウト、配色、フォントといった視覚的な要素を、一括して管理・変更するための、非常に重要で、そしてサイト運営の楽しみの一つでもあるメニューです。

Webサイトの第一印象を大きく左右する部分であり、WordPressの大きな魅力である「デザインの自由度の高さ」を最も体感できる場所と言えるでしょう。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面で、テーマを管理する

主な役割

Webサイト全体のデザインテンプレートである「テーマ」を選択したり、インターネット上から新しいテーマを探してインストールしたり、現在適用されているテーマを別のテーマに切り替えたりします。

また、Webサイトのロゴマーク、メインカラーやアクセントカラーなどの基本的な配色、使用するフォントの種類やサイズ、ページ全体のレイアウト構成などを、WordPressの「カスタマイザー」あるいはブロックテーマの場合は「エディター」という非常に便利な機能を使って、実際の表示を確認しながら直感的に調整します。

Webサイトの記事の横などに表示されるエリアであるサイドバーや、Webサイトの最下部エリアのフッターといった特定のエリアに、検索窓や最新記事の一覧、カテゴリーリストなどの特定の機能(「ウィジェット」)を表示するための設定も、この「外観」メニューから行います。

そして、訪問者がWebサイト内の様々な情報に迷わずアクセスできるようにするための、一般的に「グローバルメニュー」や「ヘッダーメニュー」などと呼ばれWebサイトの主要なナビゲーションを作成・編集するのも、この「外観」メニューが持つ重要な役割の一つです。

主要なサブメニューと基本的な使い方

テーマ

WordPressサイトに適用する新しいデザインテーマを探してインストールしたり、既にWebサイトにインストール済みのテーマの中から、実際にWebサイトに適用したいものを選んで有効化したりします。

エディター

ブロックテーマを適用している場合に表示されます。WordPressの「ブロックテーマ」とは、専門的なコードの知識がなくても、ブロックを組み立てるような直感的な操作で、Webサイト全体のデザインを自由にカスタマイズできる、新しいタイプのテーマです。

「エディター」は以下の「カスタマイズ(カスタマイザー)」「ウィジェット」「メニュー」を統合し進化させたような機能です。このWordPressマスターへの道、初心者向けシリーズでは、まだまだ主流のクラシックテーマも取り扱います

カスタマイズ

「カスタマイズ」は、ブロックテーマではない旧来のテーマ(クラシックテーマ)で表示されます。

現在有効になっているテーマのデザインに関する、サイトの基本情報の変更、色の選択、ヘッダー画像の差し替え、フォントの変更など、様々な設定項目を、実際のWebサイトの表示をリアルタイムプレビューで見ながら、直感的に変更できる非常に便利な機能です。

クラシックテーマでは、テーマ設定変更の基本的な操作は、主にこのカスタマイザーを通じて行うことになります。

ウィジェット

「ウィジェット」は、ブロックテーマではない旧来のクラシックテーマで表示されます。

Webサイトのサイドバーやフッター、テーマによってはヘッダーや記事の前後といった、適用しているテーマによってあらかじめ定められた特定のエリア、例えば「ウィジェットエリア」または「サイドバー」と呼ばれたりするエリアに、様々な機能を持った小さな情報ブロックであるウィジェットを配置します。

メニュー

「メニュー」はクラシックテーマで表示されます。

Webサイトのヘッダー部分やフッター部分などに表示する、主要なナビゲーションメニューを作成・編集します。

メニューは、訪問者がWebサイト内の目的の情報に迷わずにたどり着けるようにするための、非常に重要な機能です。

テーマファイルエディター

「ツール」配下の「テーマファイルエディター」を、テーマ関連のメニューとしてここで説明します。

「テーマファイルエディター」は、現在有効化されているテーマを構成している、プログラミング言語であるPHPファイルや、スタイルを調整するスタイルシートであるCSSファイルなどを、直接編集するための機能です。

これらのファイルを誤って編集してしまうと、Webサイトのデザインが大きく崩れてしまったり、最悪の場合、Webサイト全体が表示されなくなってしまったりする、非常に深刻な影響が出る可能性があります。

そのため、HTML、CSS、JavaScript、PHPといったWeb制作・開発に関する詳しい知識がない限り、基本的にはこのテーマファイルエディターを直接触らないようにしましょう。 特に初心者の方は要注意です。安全なカスタマイズ方法については、後の回で触れる「子テーマ」の活用などを検討してください。

WordPressサイトのデザインを実際に変更していく具体的な方法や、魅力的なWebサイトデザインを実現するためのヒントについては、この講座の第6回で、より詳しく、そして実践的に解説していきます。

「プラグイン」

WordPress機能拡張プラグインの新規追加・有効化・設定・更新方法

WordPressの大きな魅力の一つであり、その人気を支える非常に重要な要素が、この「プラグイン」という仕組みです。

プラグインによって、標準機能だけでは実現できない様々な機能を追加したり、既存の機能をさらに便利に拡張したりできます。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面プラグイン一覧

主な役割

Webサイトに必要な様々な機能を追加するための「プラグイン」と呼ばれる小さなプログラムを、インターネット上から検索し、WordPressサイトにインストールし、そして有効化します。

プラグインには、例えば以下のようなものがあります。

  • Webサイトに訪問者からのお問い合わせを受け付けるための「お問い合わせフォーム」
  • Googleなどの検索エンジンからの評価を高めるための高度な「SEO対策ツール」
  • 不正アクセスやマルウェアから守るための「セキュリティ強化機能」
  • Webサイトの表示速度を改善するための「キャッシュ機能」や「画像最適化機能」
  • WebサイトとX(旧Twitter)やFacebookといった「SNSとの連携」
  • などなど…

また、既にWebサイトにインストールしているプラグインの各種設定を変更したり、新しいバージョンがリリースされた際にアップデートしたり、あるいは、不要になったプラグインを安全に停止したり、Webサイトから完全に削除したりといった、プラグインに関する全ての管理作業も、この「プラグイン」メニューから行います。

主要なサブメニューと基本的な使い方

インストール済みプラグイン

現在WordPressサイトにインストールされている全てのプラグインが、リスト形式で一覧表示され、この画面から、各プラグインのプラグイン管理が行えます。

例えば、あるプラグインを一時的に機能停止させる「無効化」や、再度機能を有効にする「有効化」、プラグイン固有の設定画面へのアクセス、新しいバージョンへの「更新」、そして不要になったプラグインをWebサイトから完全に取り除く「削除」といった、一連の操作を行うことができます。

新規追加

WordPressの公式サイトに登録されている、数万もの無料プラグインの中から、キーワード検索などで新しいプラグインを探してインストールしたり、あるいは、別途購入した有料のプラグインなどのプログラムファイル(通常はZIP形式で提供されます)を、パソコンからWordPressサイトにアップロードしてインストールしたりします。

プラグインファイルエディター

こちらもテーマファイルエディターと同様に、インストール済みのプラグインに関連する主にPHPファイルなどのプログラムファイルを、WordPressの管理画面から直接編集するための機能です(「ツール」メニュー配下にあります)。

しかし、プラグインのコードを誤って編集してしまうと、Webサイト全体の動作に深刻な問題を引き起こしたり、セキュリティ上の脆弱性を生み出してしまったりする可能性があるため、プログラミングに関する深い知識がない限り、この機能を使用しない方が安全です。

WordPressサイトをさらに便利で高機能なものにするためのおすすめのプラグインや、それらを効果的に、そして安全に活用する方法については、この講座の第7回で詳しくご紹介しますので、ぜひそちらもご覧ください。

「ユーザー」

WordPressサイトのユーザー追加・権限管理・プロフィール編集方法

WordPressサイトを、複数の執筆者で共同でブログを更新したり、企業のウェブサイトで各担当者がそれぞれの部門の情報を更新したりする場合など、複数人で分担して管理・運営する場合や、登録ユーザーだけが閲覧できる会員制のサイトを構築する場合などに、新しいユーザーアカウントを追加したり、既存のユーザー情報を管理したりするためのメニューです。

レンタルサーバーでのWordPressユーザー一覧

主な役割

新しいユーザーをWordPressサイトに追加登録し、それぞれのユーザーに対して、Webサイト内でどのような操作を行うことを許可するかを定める、「役割」や「ロール」と呼ばれる適切な「権限グループ」を割り当てます。

また、既に登録されているユーザーの情報を編集したり、退会したユーザーのアカウントを削除したりします。

さらに、現在WordPressの管理画面にログインしているご自身のプロフィール情報、例えば、管理画面に表示される名前、連絡先のメールアドレス、ログインパスワードを編集するのも、この「ユーザー」メニューから行います。

主要なサブメニューと基本的な使い方

ユーザー一覧

現在WordPressサイトに登録されている全てのユーザーアカウントが、リスト形式で一覧表示されます。

新規追加

新しいユーザーをWebサイトに登録し、そのユーザーがログインするためのユーザー名、連絡先のメールアドレス、初回ログイン用のパスワード、そして後述する「権限グループ」などを設定します。

あなたのプロフィール

現在ログインしているご自身のプロフィール情報を編集できます。ここで設定する「ニックネーム」や「ブログ上の表示名」といった項目は、記事を執筆した際に、その記事の執筆者名としてWebサイト上に表示されることがあります。

WordPressのユーザー権限の種類(ロール)

WordPressには、登録された各ユーザーが、Webサイト内で実行できる操作の範囲を細かく定めるための、一般的に「ロール」または「権限グループ」と呼ばれるいくつかの標準的なユーザー権限の種類があらかじめ用意されています。主なロールとその役割は以下の通りです。

管理者 (Administrator)
テーマやプラグインの変更・追加・削除、新しいユーザーの追加や既存ユーザーの権限変更、Webサイト全体のあらゆるコンテンツの作成・編集・削除、WordPressの基本的な設定変更など、WordPressサイトに関する全ての操作が可能な、最も強力な権限を持つ役割です。通常、Webサイトを最初に設定した人がこの管理者権限を持ち、Webサイト全体の最高責任者となります。
編集者 (Editor)
Webサイト内の全ての投稿記事や固定ページの作成、編集、公開、削除が可能です。また、投稿者や寄稿者など他のユーザーが作成した投稿記事を編集したり、公開したりする権限も持っています。ただし、テーマやプラグインの変更、Webサイトの基本設定の変更といった、管理者レベルのWebサイト全体に関わる操作はできません。
投稿者 (Author)
自分自身が作成した投稿記事の作成、編集、公開、そして削除が可能です。他のユーザーが作成した投稿記事を編集したり、固定ページを作成したりすることはできません。
寄稿者 (Contributor)
自分自身が作成した投稿記事の作成と編集は可能ですが、その記事を自分の判断でWebサイトに公開する権限はありません。寄稿者が作成した記事は、編集者以上の権限を持つユーザーによる内容確認であるレビューと承認を経て、初めてWebサイト上に公開されるという流れになります。
購読者 (Subscriber)
基本的には、WordPressサイトの記事や固定ページなどのコンテンツを閲覧できるだけで、管理画面での編集権限はほとんど持っていません。自分自身のプロフィール情報を編集する程度の操作しかできないのが一般的です。例えば、会員制のWebサイトなどで、ログインした特定のユーザーグループにのみ限定コンテンツを閲覧させる場合などに、この購読者権限が利用されることがあります。

個人でブログや小規模なWebサイトを運営する場合は、主に「あなたのプロフィール」を編集する際にこの「ユーザー」セクションを利用する程度で、日常的に頻繁に操作するメニューではないかもしれません。

しかし、将来的に複数人でWebサイトを共同運営する可能性を考えると、WordPressにはこのような詳細なユーザー管理機能と、それぞれの役割に応じた権限設定があることを知っておくのは非常に重要です。

「ツール」

WordPressデータのインポート・エクスポート・サイトヘルス機能の使い方

WordPressサイトのデータを、過去に利用していた別のブログサービスや、別のWordPressサイトなどの他のシステムから取り込んだり(インポートしたり)、逆に現在のWebサイトのデータを他のシステムへ移したり、バックアップ目的で書き出したり(エクスポートしたり)するための機能が、インポートとエクスポートです。

そして、WordPressサイトの技術的な状態を診断し、改善のためのアドバイスを表示したりするための便利なツールが集められているのが、サイトヘルスです。

レンタルサーバーでのWordPressインポート、エクスポート、サイトヘルス

主な役割

「インポート」は、Blogger、LiveJournal、Movable Type、Tumblrなど他のブログサービスや、WordPressで過去に作成した記事データを、新しいWordPressサイトに読み込みます。

「エクスポート」は、現在のWordPressサイトの記事、固定ページ、コメント、カテゴリー、タグといった様々なデータを、他のWordPressサイトや他のシステムで再利用しやすい形式で書き出します。

「サイトヘルス」は、WordPressサイトの表示速度などのパフォーマンス、セキュリティに関する技術的な問題点、推奨される改善点を自動的にチェックし、その診断結果を表示します。

その他、GDPR(EU一般データ保護規則)といった国際的なプライバシー関連規制に対応するため、Webサイトのユーザーから要求があった場合に、そのユーザーに関する個人データ(例えば、コメント投稿時の情報やユーザープロフィールなど)をエクスポートしたり、サイトから完全に消去したりするための役割があります。

基本的な使い方

インポート・エクスポート

Webサイトのデータを他のプラットフォームから移行したり、逆に他の場所へ移したりといった、具体的なデータの移行作業が必要になった際に、画面に表示される指示に従って利用します。

サイトヘルス

Webサイトの運営者として、定期的にこの「サイトヘルス」機能を利用してWebサイトの状態をチェックすることをおすすめします。

「ツール」メニュー内の「サイトヘルス」を選択すると、WordPressが自動的にWebサイトのPHPのバージョン、データベースのバージョン、必須モジュールの有無、ディスク空き容量、セキュリティ関連の設定など様々な項目を診断し、その結果が「ステータス」というタブに表示されます。

もし「致命的な問題」や「推奨される改善」といった項目が表示された場合は、詳細な説明や具体的な対処法へのリンクなどが示されていることが多いのですが、その内容をよく読み、可能な範囲で指示に従って対応策を検討します。

サイトヘルスチェックの具体的なやり方は非常に簡単で、基本的には「サイトヘルス」画面を開いて診断結果を確認するだけです。専門的な知識がなくても、Webサイトが現在どのような状態にあるのかをある程度把握し、潜在的な問題を早期に発見するのに役立ちます。

特に「サイトヘルス」機能は、WordPressサイトを常に良好な状態で運営し続けるための、いわば「健康診断」のようなものです。定期的に結果を確認し、表示されるアドバイスを参考にして、Webサイトをより良い状態に保つよう心がけると良いでしょう。

「設定」

WordPressサイト全体の詳細設定項目(一般・投稿・表示・パーマリンクなど)解説

WordPressサイト全体の基本的な動作や、訪問者への情報の見え方(表示方法)に関する、非常に重要で多岐にわたる各種設定を行うためのメニューです。

この講座の第2回でご紹介した「WordPressインストール後に必須の初期設定5項目」の多くは、この「設定」メニュー内に含まれる各サブメニューから行います。

レンタルサーバーでのWordPressの設定、投稿やパーマリンク

主な役割

「設定」には、Webサイト運営の根幹に関わる、非常に多岐にわたる設定項目が集約されており、Webサイトの基本が決定される重要な役割を持っています。

主要なサブメニューと基本的な使い方

一般

Webサイトに関する最も基本的な情報を設定します。例えば、以下の設定を行います。

  • サイトのタイトル
  • キャッチフレーズ
  • WordPressアドレス(WordPressをインストールしたURL)
  • サイトアドレス(Webサイト訪問者がアクセスするURL)
  • 管理者メールアドレス
  • サイトで使用する言語
  • タイムゾーン
  • 日付形式
  • など
投稿設定

新しい記事を作成した際の、自動的に割り当てられるデフォルトのカテゴリーと投稿フォーマットの設定を行います。また、メール経由での投稿設定もありますが、一般的にはあまり使うことがありません。

表示設定

Webサイトの表示に関する以下などの設定を行います。

  • ホームページの表示(Webサイトのホームページ、日本では「トップ」と言われることも多いページ)に、最新のブログ投稿の一覧を表示するのか、それともある固定ページを表示するのかの設定)
  • ブログ1ページあたり何件の投稿を表示するか
  • RSS・Atomフィードで配信する情報の内容や件数
  • 検索エンジンがWebサイトをインデックスするかしないかの設定(検索エンジン経由での流入を希望する場合はチェックを外します)
ディスカッション

読者からのコメントやトラックバックなどに関する詳細な設定を行います。

  • トラックバックを受け付けるか
  • コメントを許可するか
  • コメントにアバター画像を表示するか
  • コメントが投稿された際に管理者に通知するか
  • コメントを公開する前に管理者の承認を必要とするか
  • など
メディア

画像のサムネイルサイズやファイルアップロードの設定を行います。サムネイルは、画像をアップロードした際に、WordPressが自動的に生成する縮小画像です。

パーマリンク設定

各ページのURLの形式の構造に関する設定を行います。

パーマリンク構造とSEO(検索エンジン最適化)は密接に関連しており、この講座の第2回でもお伝えした通り、一般的には「投稿名」(例えば、https://ドメイン名/記事のタイトルを英語にしたもの/)を選択するのが、URLがシンプルで人間にとっても検索エンジンにとっても内容が分かりやすいため、最も推奨される設定です。

このパーマリンク構造の設定は、Webサイトに記事を多数投稿した後で変更すると、既存の全てのページのURLが変わってしまい、SEO評価に大きな悪影響が出たり、他のWebサイトからのリンクが全て切れてしまったりする、非常に重大な問題を引き起こす可能性があります。

そのため、必ずWebサイト運営の初期段階に慎重に設定し、その後はむやみに変更しないようにします。

プライバシー

Webサイトのプライバシーポリシーページを作成したり、既存のページをプライバシーポリシーページとして指定したりするための設定などを行います。

個人情報の取り扱い方針などを記載した文書をプライバシーポリシーと言いますが、GDPR(EU一般データ保護規則)などの影響もあり、プライバシーポリシーの明示は、多くのWebサイトにとって重要となっています。

この「設定」メニュー内に含まれる各項目は、WordPressサイトの基本的な動作や、訪問者への情報の見え方、検索エンジンからの評価などに直接的に関わる、非常に重要なものばかりです。

多くの場合、一度適切に設定したら頻繁に変更するものではありませんが、WordPressサイトを立ち上げた際には、それぞれの設定項目がどのような意味を持ち、どのように設定するのが最適なのかをしっかりと確認し、適切に設定しておくことが、その後のスムーズで効果的なWebサイト運営の大きな助けとなります。

WordPress管理画面を使いやすくカスタマイズする方法【表示オプション・ヘルプ活用】

WordPressの管理画面は、そのままでも十分に機能的で使いやすいように設計されていますが、さらにご自身の作業スタイルや好みに合わせて、より使いやすく表示内容を調整したり、操作に迷ったときに役立つヒントを得たりするための、便利な機能も標準で用意されています。

これらの機能を上手に活用することで、日々のWebサイト管理作業の効率を向上させることができます。

「表示オプション」で各画面の表示項目を自分好みに変更する手順

WordPressの管理画面の多くのページ、特に、「投稿一覧」や「固定ページ一覧」といったリスト形式で情報が表示される画面や、管理画面トップの「ホーム」画面などの右上隅には、通常、「表示オプション」という、下向きの小さなタブがあります。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面、投稿一覧の表示オプション

この「表示オプション」タブをクリックすると、現在開いているページに表示する項目を、チェックボックスを使って簡単に選択したり、1ページあたりに表示するアイテムの数を変更したりすることができます。

例えば、「投稿一覧」画面であれば、投稿者、カテゴリー、タグ、コメント、日付といった各情報のカラム(列)の表示非表示や、1ページに何件の記事を表示するかなどを調整することができます。

この表示オプションのおかげで、普段あまり確認する必要のない情報、例えば「投稿者」を非表示にしたり、1ページあたりの表示記事数を、デフォルトの20件から50件にするなど、見やすい数に調整したりすることで、画面全体がスッキリと整理され、必要とする情報に素早くアクセスできるようになり、結果として日々の作業効率が向上することもあります。

これが基本的な管理画面カスタマイズの一環であり、ご自身にとって最も作業しやすい、快適な管理画面環境を整えるための第一歩です。

ぜひ、WordPress管理画面の様々なページでこの「表示オプション」タブを探して、どのような項目がカスタマイズできるのかを色々と試してみてください。

困ったときの「ヘルプ」機能の活用方法

同じく、WordPress管理画面の右上隅、「表示オプション」タブの隣には、「ヘルプ」というタブもあります。

レンタルサーバーでのWordPress管理画面、投稿一覧のヘルプ

この「ヘルプ」タブをクリックすると、WordPress管理画面で現在開いているページや機能に関する、簡単な説明文や、その機能に関するWordPressの公式ドキュメントサポートフォーラムといった、より詳細な情報が掲載されているWebサイトへのリンクなどが表示されることがあります。

「この画面では具体的にどのような操作ができるのだろうか?」「この設定項目は一体どういう意味を持っているのだろう?」と、WordPressの操作中に迷ったり、機能についてもっと詳しく知りたいと思ったりしたときには、まずはこの「ヘルプ」タブを開いてみることをおすすめします。

この「ヘルプ」を活用することで、疑問を解決するためのヒントや、さらに詳しい情報源への手がかりが見つかることがあります。

次回予告:WordPressで最初の記事を投稿する方法|ブロックエディタ入門

お疲れ様でした!

第3回では、WordPressサイト運営のまさに管制塔となる管理画面の全体像と、そこに並ぶ主要なメニューがそれぞれどのような役割を持ち、基本的な使い方はどうすれば良いのかについて、詳しく見てきました。

たくさんの機能や設定項目があって、最初は全てを覚えるのが大変だと感じるかもしれませんが、実際にWordPressサイトでこれらのメニューを一つ一つクリックして画面を開き、どんなことができるのかを少しずつ試していくうちに、自然と操作には慣れていきますので、どうぞ焦らずにご自身のペースで進めていってください。

さて、WordPressの管理画面の基本的な使い方が分かり、Webサイトをコントロールするための準備が整ったところで、いよいよWordPressの最も大きな魅力であり、Webサイト運営の中心となる「記事作成」というエキサイティングな作業に、本格的に挑戦していく段階です!

次回、第4回「WordPressで最初の記事を投稿する方法|ブロックエディタ入門【初心者向け】」では、WordPressで記念すべき最初のブログ記事を、実際にあなた自身の手で書き始め、そしてそれをインターネット上に公開するまでの具体的な手順を、一つ一つのステップを追いながら丁寧に、そして分かりやすく解説していきます。

WordPressの新しい標準エディタである「ブロックエディタ(Gutenberg)」、つまり実際の投稿エディターの使い方について、基本的な文字入力や装飾の操作方法から、読者の目を引く見出しの作成、記事を豊かにする画像の挿入、そして作成した記事を整理するためのカテゴリーやタグの設定方法に至るまで、訪問者にとって魅力的で分かりやすい、価値のある記事を作成するための大切な第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

どうぞ次回の講座もご期待ください!

芦屋 ときお

芦屋 ときお

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。