WordPressフルサイト編集用ブロックテーマに最適なレンタルサーバーはどれでしょうか?性能不足はサイト遅延の原因です。この記事では、フルサイト編集向けサーバーの選び方と、主要4社(XServer・ConoHa・mixhost・Lolipop!)の比較を解説。情報に基づいたサーバー選択を支援します。

この記事で明確になること

  • フルサイト編集環境でのサーバー性能不足が引き起こす問題点。
  • フルサイト編集サイトに適したレンタルサーバーを特定するための基準。
  • 主要4サーバー(XServer・ConoHa・mixhost・Lolipop!)の具体的な比較データと評価。
  • 提供された情報を用いて、自身で最適なサーバーを選択するための手順や考え方。

なぜWordPressブロックテーマ(フルサイト編集用WordPressテーマ)利用時にレンタルサーバー選びが重要なのか?

ブロックテーマとフルサイト編集とは?

フルサイト編集(FSE、Full Site Editing)は、WordPressサイト全体のデザイン(ヘッダー、フッター、コンテンツなど)を、Gutenberg(グーテンベルク)ブロックエディタで視覚的に編集できる機能で、ブロックテーマによって実現可能です。

ブロックテーマではない通常のテーマでデザインやレイアウトを編集していくには、HTML・CSS・JavaScript・PHPなどのコーディング知識が不可欠です。フルサイト編集とブロックテーマでは、こういったコーディングの知識がなくとも、Webサイト全体のデザインを直感的に作成・変更できるのが利点です。

フルサイト編集環境で求められるサーバー要件の変化

フルサイト編集によって、Webサイトの各部分を動的に生成する処理が増えることになります。これによって、サーバーの内部API(REST API)へのアクセスが増加し、CPUやメモリといったサーバーリソースへの負荷が高まります。

その結果、レンタルサーバーの性能が低い場合、Webサイト表示速度の低下やエディタ操作の遅延が発生しやすくなります。これはユーザー体験(UX)の悪化や、SEO(検索エンジン最適化)に関わるGoogleのコアウェブバイタル(Core Web Vitals)指標の低下に繋がる可能性があります。

サーバー選びで失敗しないために

フルサイト編集の機能を最大限に活用し、快適なWebサイト運営を実現するには、レンタルサーバーの性能が非常に重要です。

要件を満たさないサーバーを選ぶと、「編集画面が重い」「サイト表示が遅い」などの問題が発生する可能性があります。

ブロックテーマ向けレンタルサーバー選びの重要ポイント7選

ブロックテーマを利用したWordPressを活用するレンタルサーバーを選ぶ際には、以下の7つのポイントを確認することが重要です。

1. サーバー速度・安定性

サイトの表示速度は、ユーザー体験(UX)とSEOの評価に直接影響します。加えてサーバーの安定稼働も不可欠です。

NVMe SSD
高速ストレージ技術は、データアクセス速度を向上させます。大抵のレンタルサーバーには採用されていますが、念のため確認しておきます。
HTTP/3
最新の通信プロトコルは、Webサイトの読み込みを高速化します。対応状況を確認します。
サーバー応答時間
TTFB(Time To First Byte)などのサーバー応答時間が短いか確認します。短い応答時間は表示速度改善に繋がります。
稼働率
99.9%以上の安定した稼働率が提供されているか確認します。
コアウェブバイタル
以上の要件は、SEOで重要なコアウェブバイタル(Core Web Vitals)の改善に貢献することになります。

2. 最新PHPバージョンの対応とPHPメモリ上限

WordPressはPHP言語で動作します。最新PHPバージョンは高速かつ安全です。フルサイト編集は比較的多くのメモリを必要とする場合があります。

PHPバージョン
PHP 8.x以降のバージョンに対応しているか確認します。
PHPメモリ上限(memory_limit)
フルサイト編集の安定動作のため、最低でも512MBに設定可能か確認します。

3. データベース(MySQL・MariaDB)の性能

WordPressのデータはデータベース(MySQLやMariaDB)に保存されます。データベースサーバーの性能も、Webサイト全体の速度に影響を及ぼします。

高速なデータベース環境を提供しているかを確認します。

4. Webサーバーの種類と特徴

Webサーバーソフトウェア(nginx・LiteSpeed・Apache)の種類もパフォーマンスに影響します。

nginxやLiteSpeedなど、高速処理で知られるWebサーバーソフトウェアを採用しているかを確認します。

5. WordPress高速化機能

サーバー側で提供されるキャッシュ機能などは、WordPressの高速化に大きく貢献するため、以下の項目を確認します。

  • サーバーキャッシュ、オブジェクトキャッシュなどの有無。
  • CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が利用可能か。
  • LiteSpeedサーバーの場合、LiteSpeed Cacheのような専用キャッシュ機能が利用可能か。
  • その他高速化に対応しているか。

6. 管理画面の使いやすさ・サポート体制

サイト管理の容易さや、問題発生時のサポートは重要です。特にあまりWebサイトの運用や管理に慣れていない初心者にとっては、サーバーを選ぶ際に考慮すべき点です。

WordPress簡単インストール機能の有無、コントロールパネルの分かりやすさ、サポート窓口(メール、電話、チャットなど)と、その対応品質を確認します。

7. 料金プランとコストパフォーマンス

提供される性能や機能と、費用のバランスを評価する必要があります。

初期費用、月額料金、契約期間による割引、無料SSL証明書の提供、自動バックアップ機能の有無などを確認し、コストパフォーマンスを判断します。

【徹底比較】フルサイト編集ブロックテーマにおすすめ!主要レンタルサーバー4選

上記の選択基準に基づき、フルサイト編集環境での利用に適した主要レンタルサーバー4社を比較します。

XServer(エックスサーバー)レンタルサーバー

XServer(エックスサーバー)レンタルサーバー

エックスサーバーは、日本で高いシェアを持つ大手レンタルサーバーです。長年の運用実績があり、安定性に定評があり、サーバーの「リソース保証機能」が導入されています。全プランで高速なNVMe SSDを採用しており、CPU・メモリリソースも豊富です。サーバー処理速度「国内最速」を謳っており、また、WordPressの高速化にも対応しています。

メリット

  • サーバー稼働の安定性が非常に高い。
  • 高速なNVMe SSDと十分なリソース提供。
  • 電話サポートを含む充実したサポート体制。
  • 独自の高速化機能「Xアクセラレータ」利用可能。
  • WordPress簡単移行機能あり。

デメリット

  • 他社の低価格プランと比較した場合、月額料金はやや高め(ただし頻繁にキャンペーンを行っており、期間中に契約すると、かなりお得な料金で利用が可能)。
推奨プラン
スタンダード・プレミアム
料金目安
月額約990円から(長期契約時)。
対象ユーザー
Webサイトの安定性を最重視する方。

公式サイトでご確認の上、ご検討ください → エックスサーバー

ConoHa WING(コノハウィング)レンタルサーバー

ConoHa WING(コノハウィング)レンタルサーバー

ConoHa WINGは、Webサイトの高速表示を特徴とするレンタルサーバーです。管理画面がモダンで直感的です。長期割引プラン「WINGパック」が提供されています。表示速度改善を重視するユーザーに適しています。全プランでNVMe SSDを採用しており、サーバーリソースも潤沢で、高速化技術「WEXAL」も利用できます。

メリット

  • サイト表示速度が非常に速い。
  • 長期契約「WINGパック」利用で初期費用無料、月額料金も割引。
  • 管理画面がモダンで操作しやすい。
  • WordPressかんたん移行ツールが利用可能。

デメリット

  • 「WINGパック」には最低契約期間が設定されています。
  • スタンダードプラン以上は、やや料金が高めです。
  • 電話サポートは平日のみの対応です。
推奨プラン
ベーシック・スタンダード
料金目安
月額約643円から(長期契約時)。
対象ユーザー
Webサイト表示速度を最優先するユーザー
コストパフォーマンスを重視するユーザー
初心者ユーザー

公式サイトでご確認の上、ご検討ください → ConoHa WING

mixhost(ミックスホスト)レンタルサーバー

mixhost(ミックスホスト)レンタルサーバー

mixhostは、高性能WebサーバーソフトウェアLiteSpeedを全プランで採用するレンタルサーバーです。WordPressサイトの高速化に適しています。全プランでNVMe SSDを採用しており、LiteSpeed Webサーバーと専用キャッシュプラグイン「LiteSpeed Cache」の組み合わせにより、フルサイト編集テーマ利用サイトの高速表示が期待できます。

メリット

  • LiteSpeed採用による優れたWordPressパフォーマンス。
  • 高速NVMe SSDを標準で利用可能。
  • 高機能でありながら、コストパフォーマンスも良好。

デメリット

  • サポート対応の品質や時間については、利用者の評判を確認することをおすすめします。
推奨プラン
スタンダード・プレミアム
料金目安
月額約495円から(長期契約時)。
対象ユーザー
LiteSpeed環境を利用したいユーザー
表示速度を重視するユーザー
ある程度のサイト運用経験や知識を持つユーザー

公式サイトでご確認の上、ご検討ください → mixhost

Lolipop!(ロリポップ!)レンタルサーバー

Lolipop!(ロリポップ!)レンタルサーバー

ロリポップ!は、長年の実績があり、ハイスピードプランなどの比較的高性能のプランを提供しています。このプランはLiteSpeedを採用し、低価格で高い性能を提供しています。高速化に対応するLiteSpeed Cacheも利用可能です。

メリット

  • 高性能ながら月額料金が比較的安価で、コストパフォーマンスが高い。
  • LiteSpeed採用による高速な動作。
  • 使いやすい管理画面とWordPress簡単インストール機能。

デメリット

  • エコノミープランなどの下位プランとは性能が大きく異なります。
推奨プラン
ハイスピード・エンタープライズ
料金目安
月額約550円から(長期契約時)。
対象ユーザー
コストを抑えつつ高速なサーバーを求めるユーザー。
WordPress初心者から中級者のユーザー。

公式サイトでご確認の上、ご検討ください → ロリポップ!

比較一覧表

エックスサーバーConoHa WINGmixhostロリポップ!
主な特徴安定性・信頼性サーバー処理速度No.1を謳う・安定性WordPressに最適化したサーバー環境高コスパ
vCPU・メモリ・ストレージ6コア・8GB・NVMe SSD 500GB(スタンダード)6コア・8GB・NVMe SSD 300GB(ベーシック)vCPU・メモリ非公開、NVMe SSD 無制限(スタンダード)vCPU・メモリ非公開、SSD 700GB(ハイスピード)
WebサーバーnginxApache + nginxLiteSpeednginx + LiteSpeed
高速化機能XアクセラレータなどLiteSpeed LSAPI、WEXALなどLiteSpeed CacheLiteSpeed Cache
月額目安約990円~約678円~約495円~約550円~
おすすめ対象安定性重視速度・コスパ重視コスパ重視初心者向け
公式サイト エックスサーバー ConoHa WING mixhost ロリポップ!
※表内の料金やスペックは変更される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

目的別・タイプ別おすすめレンタルサーバー

利用者の目的別に適したサーバーを提案します。

初心者向け

レンタルサーバーの利用が初めての方、あまり慣れていない方や、簡単な操作性を重視する方。

  • ConoHa WING
    管理画面が直感的で操作しやすいです。
  • ロリポップ!
    手頃な価格と使いやすさのバランスがよいです。

パフォーマンス重視

Webサイトの表示速度や安定した稼働を最優先する方。表示速度改善を強く求める方。

コスパ重視

費用対効果を重視する方。予算を抑えたい方。

  • ロリポップ!
    低価格でLiteSpeed環境を利用できます(ハイスピード以上のプラン)。
  • mixhost
    安価なプランから幅広いプランがあり、WordPressに強いサーバーです。

特定技術を使いたい

WebサーバーLiteSpeedとLiteSpeed Cacheを利用したい方

  • mixhost
    LiteSpeedを標準採用しており、格安プランもあります。
  • ロリポップ!
    LiteSpeedを手頃な価格で提供しています(ハイスピード以上のプラン)。

レンタルサーバー乗り換え・サイト移行時の注意点

現在のレンタルサーバーから新しいサーバーへWordPressサイトを移すサイト移行作業には、いくつかの注意点があります。

1. データ移行

  • WordPressを構成するファイル群とデータベース情報を、新しいサーバーへコピーする作業です。
  • 各レンタルサーバーが提供する移行支援ツール、WordPressの移行用プラグイン(Duplicator、All-in-One WP Migration and Backup、WPvivid Backup & Migrationなど)、または手動でのファイル転送とデータベースインポートを行います。利用可能なツールや手順は、各サーバーで確認が必要です。

2. ドメイン設定変更

  • 独自ドメインを使用している場合、ドメイン管理権限を新しいサーバーに移管するか、現在のドメイン管理業者でネームサーバーのみを新しいサーバーへ向けて変更します。
  • DNS(ドメインネームシステム)設定の変更がインターネット全体に反映されるまでには時間がかかる場合があります。Webサイト移行の計画には、この時間を考慮する必要があります。

3. ダウンタイムの最小化

  • Webサイトが一時的に表示できなくなる時間(ダウンタイム)を可能な限り短縮しなければなりません。
  • アクセスが少ない時間帯、例えば深夜や休日にWebサイトの移行作業を行ったり、新サーバーでの表示を完全に確認してからDNS設定を切り替えるなどの手順が有効です。計画的な作業がダウンタイムの短縮に繋がります。

まとめ:最適なサーバーを選んで快適なブロックテーマのWebサイト運営を始めよう

WordPressのブロックテーマとフルサイト編集は、Webサイト制作の可能性を広げる重要な機能です。これらの機能を最大限に活用するためには、基盤となるレンタルサーバーの選択が極めて重要です。適切なサーバーを選ぶことは、Webサイトの表示速度改善WordPress高速化の実現に不可欠です。

この記事で比較したXServer(エックスサーバー)、ConoHa WING(コノハウィング)、mixhost(ミックスホスト)、Lolipop!(ロリポップ!)は、いずれもWordPressフルサイト編集環境に適した性能を提供し、日本国内で人気と信頼のあるレンタルサーバーです。

Webサイトの目的、必要な機能、予算、そして最も重視する要素(速度、安定性、価格、使いやすさなど)を考慮し、最適なレンタルサーバーを選択してください。

各レンタルサーバーの公式サイトで詳細情報や最新のキャンペーン内容を確認し、快適なWordPressフルサイト編集を活用したWebサイト運営を始めましょう。

この記事に掲載されている情報は記事執筆時点のものです。各レンタルサーバーが提供するサービス内容、料金体系、キャンペーン等は変更される可能性があります。契約を決定する前には、必ずご自身で各レンタルサーバーの公式Webサイトに掲載されている最新の情報をご確認ください。この記事は情報提供を目的としており、特定のレンタルサーバーを推奨するものではありません。レンタルサーバーの選択は、ご自身の判断と責任において行ってください。

芦屋 ときお

芦屋 ときお

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。