WordPressフルサイト編集マスター講座 2 – 初心者向け全5回講座

「WordPressの始め方」で検索し、情報の多さに戸惑っていませんか?

この記事一本で、複雑な環境構築はすべて完了します。

最適なレンタルサーバーの選び方から契約、WordPressのインストール、プロが行う必須の初期設定まで。

迷いのない一直線のルートで、安全なスタートラインへ導きます。

この記事で…

  • サーバーとドメインという、Webサイト公開に不可欠なインフラの基礎知識を習得します。
  • 数あるレンタルサーバーの中から、目的と予算に最適な一社を、明確な根拠を持って選べるようになります。
  • 初心者が最もつまずきやすいサーバー契約からインストールまでの技術的なプロセスを、迷わず一人で完遂できます。
  • WordPressを最高の状態でスタートさせるための、プロ仕様の必須初期設定をマスターします。

1. なぜ必要? WordPressの土台となるサーバーとドメイン

こんにちは!「WordPressフルサイト編集マスター講座」の第2回へようこそ。

前回の講座では、フルサイト編集(FSE)という、Webサイト制作の強力な設計図を手に入れました。

しかし、どんなに素晴らしい設計図も、家を建てるための安全で頑丈な「土地」がなければ、絵に描いた餅に過ぎません。

今回の記事は、初心者にとって最も複雑で、不安に感じるプロセスである「環境構築」の多くを網羅したガイドです。

「レンタルサーバー」「ドメイン」「SSL」…これらの言葉に臆することなく、一つずつ本質を理解していきましょう。

レンタルサーバーの役割

Webサイトの「土地」を借りる

Webサイトが「家」だとすれば、サーバーとは、その家を建てるための「土地」にあたります。

サーバーは、これから作成する文章、掲載する画像、そしてWebサイトを形作るデザインデータなど、すべてを保管しておく場所です。

この「土地」は、24時間365日、世界中からのアクセスにいつでも応答できるよう、高速な回線と安定した電源に接続された、高性能なコンピューターでなければなりません。

これを個人で用意し、維持管理するのは非常に困難です。

そこで、専門の会社が管理するサーバーの一部を月額料金で借りる「レンタルサーバー」というサービスを利用するのが、現代のWebサイト運営における最も賢明で一般的な方法なのです。

ドメインの役割

世界に一つだけの「住所」を決める

土地=サーバーが決まったら、次はその土地の「住所」を決めていきますが、それがドメインです。

当サイトのURL「https://re-prog.net」で言えば「re-prog.net」の部分がドメインにあたります。

この住所は世界に一つしかなく、Webサイトの顔となるために、たいへん重要です。

ドメインの取得方法はいくつかありますが、初心者の方はレンタルサーバーの契約時にセットで申し込むのが最も合理的です。

なぜなら、多くのサーバー会社が「ドメイン永久無料」などといった非常に魅力的な特典を用意しており、サーバーとドメインの管理が一つの管理画面で完結するため、数年後の更新手続きなどを忘れてしまうといったミスを防ぎやすいからです。

SSLの役割

Webサイトの「表札」兼「警備システム」

WebサイトのURLが「http://」ではなく「https://」から始まっていることに、大きな意味があるのをご存知でしょうか。

この「s」はSecureのSであり、Webサイトと訪問者の間でやり取りされる情報が暗号化されていることを示す、信頼の証です。

この暗号化の仕組みをSSLと呼びます。

SSL化されていないWebサイトは、Webブラウザに「保護されていない通信」などと警告が表示され、訪問者に深刻な不信感を与えてしまいます。

WordPressフルサイト編集マスター講座:レンタルサーバーでのSSL化

また、GoogleもSSL化を検索順位の評価要因の一つとしているため、SSL化は、SEOの観点からも必須の対応となります。

幸い、現在ではほとんどのレンタルサーバーが、この独自SSLを無料で、かつボタン一つで設定できる機能を提供しています。

これもサーバー選びにおける絶対条件になります。

2. 【2025年最新】WordPressレンタルサーバーの選び方と比較

さて、基礎知識を学んだところで、いよいよWebサイトの未来を左右する「土地」=サーバー選びです。

サーバー選びは、家づくりの土地選びと同じで、一度決めたら簡単には変更できません。

だからこそ、最初の選択が非常に重要になります。

しかし、ご安心ください。ここで紹介する6社は、どれもWordPressを快適に運用するための厳しい基準をクリアした、信頼できるサービスです。

サーバー選びで失敗しない5つの絶対条件

比較の前に、サーバーを選ぶ際の「判断基準」となる5つのポイントを頭に入れておきましょう。

1. サイトパフォーマンス(表示速度と安定性)

Webサイトの表示速度は、訪問者の満足度とSEO評価に直結する最重要項目です。

快適なWebサイト運営のためには、十分な性能を持つサーバーを選びましょう。

2. WordPress簡単インストール機能

専門的な手順をすべて自動化し、数分でWordPressの設置を完了させてくれる、初心者にとっての生命線とも言える機能です。

3. サポート体制の質

問題が発生した際、メールやチャットだけでなく、直接話せる電話サポートがあるかは、いざという時の大きな安心材料になります。

4. コストパフォーマンス

初期費用無料は今や当たり前。

月額料金に加え、「ドメイン永久無料」などのキャンペーンを含めたトータルコストで判断することが賢明です。

5. データ保護(自動バックアップ機能)

人的ミスや万が一のサイバー攻撃からWebサイトを守るため、無料で自動バックアップを提供しており、かつ簡単な手順でデータを復元できるかは、極めて重要なポイントです。

目的別おすすめサーバー6社の深掘り解説

上記の5つの重要ポイントを踏まえた上で、記事執筆時点で、おすすめできるレンタルサーバー6社を、それぞれの個性やペルソナに焦点を当てて深掘りしていきます。

「どのサーバーが一番良いか?」という問いの答えは、ありません。

「どのサーバーが、今のあなたにとって一番良いか?」が正しい問いです。

目的や性格と照らし合わせながら、最高のパートナーを見つけてください。

XServer(エックスサーバー) – 安定と信頼の絶対王者

もし、初めて車を買うとして、「とにかく失敗したくない、最も信頼できて、乗りやすく、何かあっても安心な、日本で一番売れている車が欲しい」と考えるなら、迷わずこのサーバーを選ぶべきです。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)レンタルサーバー

エックスサーバーは、国内シェアNo.1を誇る、まさにレンタルサーバー界の絶対王者です。

その最大の魅力は、高速な性能は当然のことながら、長年の運用実績に裏打ちされた盤石の安定性と、手厚いサポート体制にあります。

圧倒的な情報量と安心感

利用者が非常に多いため、もし何かに困って検索すれば、先人たちが残してくれた解決策がすぐに見つかります。

多くのWordPressテーマやプラグインの開発者が、エックスサーバーを動作確認の基準にしているという事実も、計り知れない安心材料です。

手厚いサポート

電話サポートに対応しています。

すぐに回答が欲しかったり、すぐに解決したい問題がある場合に、とても重宝します。

分かりやすい管理画面

契約後に使うことになる管理画面は、アカウントを管理する「XServerアカウント」、サーバ運営に必要な各種作業を行うための「エックスサーバー契約管理」、サーバーの各種設定を行う「サーバーパネル」に分かれています。

サーバーパネルは長年使われている伝統的なインターフェースの「旧サーバーパネル」と、情報が整理されて分かりやすくなった「新サーバーパネル」があります。

こんな人に最適
  • とにかく失敗や後悔をしたくない、最も安全な選択をしたい方
  • 長期的に安心してWebサイトを運営したい方
  • 電話で直接質問できる手厚いサポートを重視する方
  • 将来的に法人化やビジネスサイトの運営も視野に入れている方
少しだけ注意したい点

絶対的な安定性を重視するため、最新技術の導入スピードは、後述するシンレンタルサーバーなどより、やや穏やかな傾向があります。

頻繁にキャンペーンを行っていますので、公式サイトを確認することをおすすめします。
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ConoHa WING(コノハウィング) – スピードと革新の挑戦者

もし、車を選ぶ基準が「とにかく速いこと、そして運転席が未来的にデジタル化されており、操作していて楽しいこと」なら、このサーバーの右に出るものはありません。

WordPressフルサイト編集マスター講座:ConoHa WING(コノハウィング)レンタルサーバー

ConoHa WINGは、GMOインターネットグループが運営する、表示速度に徹底的にこだわった革新的なサーバーです。

Webサイトの表示速度は、訪問者の満足度や離脱率に直結し、SEO評価にも大きな影響を与えるため、その速さは何よりの武器となります。

国内最速級のパフォーマンス

第三者機関の調査でも度々「国内No.1」の評価を獲得しており、その実力は折り紙付きです。

高速なWebサイトは、それだけでユーザー体験を向上させ、ビジネスチャンスを広げます。

直感的で美しい管理画面

ConoHa WINGの管理画面は、最新のスマートフォンアプリのように、モダンで美しく、そして直感的に操作できます。

「サーバーの設定は難しくて面倒」というイメージを覆し、触っているだけで楽しくなるような優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。

ブロガー・アフィリエイターに嬉しい特典

長期利用割引プランである「WINGパック」を契約すると、独自ドメインが2つ永久無料になるという、複数サイトを運営したいユーザーにとって非常に強力な特典があり、その上、最大31日間無料となっています。

また、人気WordPressテーマ「SANGO」や「JIN」などが割引価格で購入できる提携も魅力です。

こんな人に最適
  • Webサイトの表示速度を1ミリ秒でも速くしたい、パフォーマンス最優先の方
  • 新しいツールや美しいインターフェースが好きな方
  • ブログやアフィリエイトで、複数のWebサイト運営を計画している方
少しだけ注意したい点

サービス開始は2018年と、老舗に比べれば運用実績の長さはありません。ただし、運営母体は巨大なGMOグループなので信頼性に問題はないでしょう。

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シンレンタルサーバー – 高性能を、より身近に

もし「レクサスと同じエンジンや足回りを積んだ、トヨタの最新スポーツカーが欲しい」と考えるなら、このサーバーはまさにうってつけです。

WordPressフルサイト編集マスター講座:シンレンタルサーバー

シンレンタルサーバーは、王者エックスサーバーと同じ会社が運営する、いわば「エックスサーバーのハイスペックな兄弟分」です。

エックスサーバーの盤石なシステムをベースに、より最新の技術を積極的に投入し、コストパフォーマンスを極限まで追求しています。

最新技術への迅速な対応

エックスサーバーに先行して、HTTP/3などの最新の通信技術や、最新版のプログラム言語(PHP)が導入されることが多く、常に最先端の環境でWebサイトを運営したいというニーズに応えます。

圧倒的なコストパフォーマンス

エックスサーバーとほぼ同等の高性能なリソース(CPUやメモリ)を提供しながら、月額料金はより安価に設定されています。

月々数百円の差でも、年間で見れば大きな違いとなり、Webサイト運営の固定費を賢く削減できます。

こんな人に最適
  • サーバーの性能には一切妥協したくないが、コストは少しでも抑えたい、合理的な選択をしたい方
  • 最新のWeb技術に興味があり、その恩恵をいち早く受けたい方
  • エックスサーバーの信頼性は欲しいが、もう少し安ければ…と感じていた方
少しだけ注意したい点

エックスサーバーほどの圧倒的な知名度や、ネット上の情報量(ユーザーによる解説記事など)は、まだありません。

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mixhost(ミックスホスト) – 自由と性能のフロンティア

もし「市販車ではなく、サーキット走行を前提にチューンナップされた、リミッターのないマシンが欲しい」と考えるなら、このサーバーがその渇望を満たしてくれるでしょう。

WordPressフルサイト編集マスター講座:mixhost(ミックスホスト)レンタルサーバー

mixhostは、高速Webサーバー「LiteSpeed」をいち早く採用し、高いパフォーマンスで人気を集めるサーバーです。

特に、WordPressを高速化するために開発された専用のキャッシュ機能「LiteSpeed Cache」が非常に強力で、専門的な知識がなくても高速なWebサイトを実現できます。

規約の自由度

最大の特徴は、アダルトサイトの運営も許可されているなど、規約の自由度が非常に高い点です。

これは、アフィリエイトなどで幅広いジャンルのサイトを運営する可能性があるユーザーにとって、「将来的に扱うジャンルが規約に縛られる心配がない」という、他にはない大きなメリットとなります。

性能への強いこだわり

常に最新の技術を取り入れ、サーバーの性能を最大限に引き出すことに注力しています。

性能を追求するパワーユーザーからの評価が非常に高いサーバーです。

こんな人に最適
  • とにかくサーバーの処理速度を追求したい、Webサイトパフォーマンスに妥協したくない上級者
  • アフィリエイトなどで、扱うジャンルに一切の制約を受けたくない方
  • 技術的なカスタマイズを積極的に行いたい方
少しだけ注意したい点

サポート体制が他の大手ほど手厚くないと感じるユーザーもいるため、ある程度自分で調べて解決できるスキルが求められる場合があります。

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さくらのレンタルサーバ – 日本のインターネットを支える老舗

もし「派手さや最新機能よりも、何十年も無事故で走り続けてきた、質実剛健な国産車のような安心感が欲しい」と考えるなら、このサーバー以上にふさわしい選択肢はありません。

WordPressフルサイト編集マスター講座:さくらのレンタルサーバー

「さくらインターネット」という社名は、多くの方が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

1996年創業という、日本のインターネット黎明期からサービスを提供する老舗中の老舗であり、その運用実績と信頼性は抜群です。

圧倒的な安心感

長年の運用実績は、何よりの安心材料です。

特に法人や官公庁での採用実績が多く、セキュリティや安定性に対する社会的な信頼が非常に高いのが特徴です。

安定したサービス提供

流行り廃りに左右されず、長期間にわたって安定したサービスを提供し続けるという強い意志を感じさせます。

Webサイトを、10年、20年と運営していくことを見据えるなら、この安心感は非常に価値があります。

こんな人に最適
  • とにかく安心感が第一で、聞き馴染みのある会社を選びたい保守的な方
  • 会社の公式サイトなど、絶対に落ちては困る重要なWebサイトを運営したい方
  • 長年の運用実績を最も重視する方
少しだけ注意したい点

コントロールパネルが昔ながらのデザインで、一部のユーザーには少しとっつきにくいと感じられる可能性があります。

また、最新の高速化技術の導入は、新興サービスに比べて穏やかです。

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ロリポップ!レンタルサーバー – 始める楽しさを、ここから

もし「まずは気軽に運転できる、小回りの利くコンパクトカーで、運転する楽しさを味わいたい」と考えるなら、このサーバーが最高の最初のパートナーになるでしょう。

WordPressフルサイト編集マスター講座:ロリポップ!レンタルサーバー

東証プライム上場企業であるGMOペパボが運営する、長年の実績を持つ人気サーバーです。

「楽しさ」や「手軽さ」を前面に出しており、初心者でも親しみやすいサービス設計と、分かりやすいプラン構成が特徴です。

圧倒的なコストパフォーマンス

月額料金が非常に安く、初期投資を抑えてWebサイト運営を始めたいというニーズに完璧に応えてくれます。

初心者向けの配慮

WordPressのインストールはもちろん、契約後のステップを分かりやすく解説した「ロリポップ!スタジオ」など、初心者をサポートするための学習コンテンツが充実しています。

適切なプラン選びが鍵

WordPressを本格的に運用するには、高速なNVMe SSDを採用した月額550円からの「ハイスピードプラン」か「ベーシックプラン」が必須です。

最も安いエコノミープランではWordPressが利用できないため、注意が必要です。

こんな人に最適
  • まずはコストを抑えて、趣味のブログやお試しでWebサイトを持ってみたい方
  • 難しいことは抜きにして、まずはWebサイトを持つ「楽しさ」を味わいたい学生や主婦層
  • 分かりやすいマニュアルやサポートコンテンツを重視する方
少しだけ注意したい点

最上位プランでも、エックスサーバーなどのハイスペックサーバーと比較すると、純粋な性能面では一歩譲る部分があります。

大規模なアクセスが見込まれるWebサイトには、より上位のサーバーが適しています。

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3. 【手順の完全解説】XServer(エックスサーバー)でWordPressを始める全プロセス

WordPressをインストールするには、大きく分けて2つの方法があります。

1. WordPressクイックスタートを利用する方法
サーバー契約と同時に、WordPressの設置に関わる全工程を自動で行う、最も簡単な方法です。
2. 手動でインストールする方法
サーバー契約後、管理画面(サーバーパネル)から自分で設定を行う、応用の効く方法です。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を理解し、あなたに合った方法を選びましょう。

WordPressクイックスタートのメリットとデメリット

まずは、最も簡単な「クイックスタート」の特徴です。

メリット

圧倒的に簡単で速い
サーバー契約画面で数項目を入力するだけで、SSL設定やWordPressインストールが自動で完了します。初心者でも迷うことなく、最短10分ほどでWebサイトを立ち上げられます。
ミスが起こらない
手動設定で起こりがちな、データベース情報の入力ミスやSSL設定のし忘れといったトラブルがありません。確実に、完璧な状態でスタートできます。
すぐに記事を書き始められる
サーバー契約完了後、すぐにWordPressの管理画面にログインできるため、「サイトを作りたい」というモチベーションが最も高い状態で、すぐにコンテンツ制作に入れます。

デメリット

仕組みの理解が難しい
全てが自動化されているため、「サーバー」「ドメイン」「データベース」がどのように連携してWebサイトが動いているのか、といった、裏側の仕組みを理解しにくい側面があります。
無料お試し期間が利用できない
クイックスタートを利用すると、サーバー契約時に本契約(支払い)が必須となるため、エックスサーバーが提供している「10日間の無料お試し期間」の対象外となります。

結論

とにかく速く、簡単に、ミスなくWordPressを始めたい方、技術的なことは気にせず、すぐにブログやWebサイトの中身を書き始めたいという方には、「WordPressクイックスタート」がおすすめです。ただし、即契約・支払いが必要なことには、注意が必要です。

手動インストールのメリットとデメリット

次に、この講座で詳しく解説する「手動インストール」の特徴です。

メリット

WordPressの仕組みが学べる
サーバーパネルを自分で操作し、SSL設定やインストールを行う過程で、Webサイトが動く仕組みへの理解が格段に深まります。この知識は、将来的なトラブルシューティング能力に直結します。
無料お試し期間が利用できる
最初にサーバーだけを試用するため、「10日間の無料お試し期間」を利用できます。サーバーパネルの使い勝手などをじっくり試してから本契約に進むことが可能です。
柔軟な設定が可能
複数のWebサイトを運営する場合など、より細かく、意図した通りの設定を自分で行うことができます。

デメリット

手間と時間がかかる
クイックスタートに比べ、手順が多く、完了までに少し時間がかかります。
設定ミスの可能性がある
慣れないうちは、入力ミスや手順を飛ばしてしまうなどのヒューマンエラーが起こる可能性があります。

結論

少し時間はかかっても、今後のためにWordPressの仕組みをしっかり理解しておきたいという学習意欲の高い方、無料お試し期間を利用して、じっくりサーバーを試したい方には、「手動インストール」がおすすめです。

ここでは、後者の学びながら進めるWordPress「手動インストール」を選択して進めていきます。Webサイト運営が初めてで不安な方、WordPressがどんなものかまず触ってみたい方などに最適な方法です。

また、このルートの最大のメリットは「お金を払う前に、まず無料でWordPressの操作感を試せること」、そして「本契約に進むかどうかを10日間じっくり判断できること」です。

Step1. 申し込み(10日間無料お試しスタート)

まず、WordPressをインストールするための「土地(サーバー)」だけを、無料でお試し契約します。

1. エックスサーバー公式サイトへアクセスし、「お申し込み」ボタンから進む

XServer公式サイトはこちら → エックスサーバー

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)公式サイト申し込み

XServer(エックスサーバー)レンタルサーバーは、よくキャンペーンを行っており、お得に申し込みが可能です。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)キャッシュバックキャンペーン

2. プランを選択する

初めてのWordPressであれば、「スタンダード」プランで十分です。プランを選んだら、「WordPressクイックスタート」は利用せず、申し込みを進めてください。これが無料お試しを利用するための重要なポイントです。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)公式サイト申し込み:WordPressクイックスタート

3. お客様情報を入力し、メール認証を行う

「XServerアカウントに登録するお客様情報」を入力後、届いた確認コードを入力し、入力内容を確認して進みます。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)メール認証

本人確認のための「SMS・電話認証」の手続き後、完了となります。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)公式サイトSMS・電話認証

「【XServerアカウント】■重要■サーバーアカウント設定完了のお知らせ[試用期間]」といった件名のメールが届きます。このメールは、この後の作業で必須となる情報が記載されているため、絶対に削除せず保管してください。

ここから10日間の無料お試し期間がスタートです。

Step2. 試用(初期提供サブドメインでのWordPress試用)

このステップの目的は、あくまでWordPressの管理画面の操作に慣れるための「練習」です。本格的なWebサイトを作るわけではないので、気軽に試してみましょう。

1. サーバーパネルへログイン

「サーバー設定完了のお知らせ」メールに記載のIDとパスワードで「サーバーパネル」にログインしますが、「XServerアカウント」にログイン後、「サーバーパネル」に移動することも可能です。

新デザインの管理画面ですと、「XServerアカウント」にログインして操作することに統一したほうが、スムーズに進められるでしょう。

2. 初期ドメインにWordPressをインストール

2.1. WordPress簡単インストール

サーバーパネルのメニューから「WordPress簡単インストール」をクリックします。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)サーバーパネル:WordPress簡単インストール
2.2. WordPressインストール

「WordPressを追加」ボタンをクリックし、ブログ名(「テストブログ」などでOK)、練習用のユーザー名・パスワードを設定し、インストールを実行します。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)サーバーパネル:WordPress簡単インストールの実行

3. 練習用WordPressへログイン

インストール完了画面に表示された「管理画面URL」からログインし、WordPressの操作感を自由に体験してください。

Step3. 契約(料金の支払い)

10日間の無料試用で「これなら続けられそうだ」と納得したら、料金を支払ってサーバーを正式に自分のものにします。

「XServerアカウント」にログイン後、「料金支払い」をクリックし、手続きを進めます。

長期契約ほど1ヶ月あたりの料金が割安になります。合わせて、12ヶ月以上の契約で大きなキャッシュバックがあるキャンペーンを行っている場合があります。また、スタンダードプランの場合、独自ドメインが永久無料になるのは、12ヶ月以上の契約をした場合のみになります。

WordPressフルサイト編集マスター講座:XServer(エックスサーバー)料金の支払い

支払い方法を選択し、支払いを完了させますと、サーバーの本契約は完了です。無料お試し期間が終了する前に手続きを済ませましょう。

Step4. 独自ドメインの取得

いよいよ、Webサイトの正式な「住所」となる、世界に一つだけの独自ドメインを取得します。

通常は「Xserverアカウント」にログインし、「ドメイン」メニューからドメインの新規取得に進みますが、キャンペーンを利用すれば、人気の「.com」などが無料で取得できます。当記事執筆現在では、スタンダードプランの場合、12ヶ月以上の契約で、独自ドメイン永久無料特典があります。この場合、事前に特典の申し込みをする必要があります。

「Xserverアカウント」にログインし、「各種特典お申し込み」から、独自ドメイン永久無料特典の「この特典を使用する」をクリックし、希望するドメイン名を入力し、取得可能か検索します。

ドメイン名の決め方ですが、「短く、覚えやすく、Webサイトの内容がイメージできるもの」が理想です。個人ブログなら「ご自身の名前.com」、テーマに特化したWebサイトなら「Webサイトのテーマ.com」などが良いでしょう。末尾は世界標準の「.com」が最もおすすめです。

取得できることを確認したら、申し込みを完了させます。

Step5. サーバーへのドメイン設定とSSL化

取得したドメイン(住所)を、契約したサーバー(土地)に紐付け、セキュリティ(鍵)をかけます。

サーバーパネルにログインし、「SSL設定」からStep4で取得した独自ドメインを選択し、「変更」をクリックし、次に、「ONにする」をクリックします。

※SSLの反映には数分~数時間かかる場合があります。

Step6. 独自ドメインでのWordPressインストール

最後の仕上げです。準備が整った独自ドメインに、これから育てていく本番用のWordPressをインストールしましょう。

  1. 練習用のWordPressは不要ですので削除します。サーバーパネルの「WordPress簡単インストール」画面から、ステップ2で作成した初期ドメインのWordPressを削除します。
  2. 次に、本番用のWordPressをインストールします。再度「WordPress簡単インストール」を開き、今度はインストール先にステップ4で取得した独自ドメインを選択します。
  3. 本番用の「ブログ名」「ユーザー名」「パスワード」を改めて設定し、インストールを実行します。
  4. 発行された新しい管理画面URLからWordPress管理画面にログインできれば、すべての作業は完了です!

1度経験していますのでスムーズにできたかと思います!最も安全で確実な方法で、ご自身の本格的なWordPressサイトが誕生しました!

4. プロが必ず行う!WordPressインストール直後の必須初期設定7選

家は建ちましたが、まだ鍵が甘く、住所の表記も仮のままです。本格的なWebサイト制作に入る前に、以下の初期設定を必ず行いましょう。これは、新築の家のセキュリティを強化し、正式な表札を掲げるのと同じくらい重要な作業です。

サイトのタイトルの確認とキャッチフレーズの削除

WordPress管理画面の「設定」→「一般」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からサイトのタイトルとキャッチフレーズ

これは検索結果にも表示される、Webサイトの紹介文です。「キャッチフレーズ」が入力されている場合は、変更するか削除します。

パーマリンク設定の最適化

WordPress管理画面の「設定」→「パーマリンク」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からパーマリンク設定

記事のURLを、人間にも検索エンジンにも分かりやすい「投稿名」に変更します。これはSEOの最も基本的な設定の一つです(※投稿名は日本語ではなく英単語を基本にします)。

タイムゾーンの変更

WordPress管理画面の「設定」→「一般」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からタイムゾーンの変更

タイムゾーンが「UTC+9」もしくは「東京」になっているかを確認し、予約投稿などが日本時間で正しく機能するようにします。

不要な初期プラグインの削除

WordPress管理画面の「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面から不要プラグイン削除

最初から入っている「Hello Dolly」など、不要なプラグインは無効化した後削除し、Webサイトを軽く保ってパフォーマンスの低下を防ぎます。

コメント機能(ディスカッション)の見直し

WordPress管理画面の「設定」→「ディスカッション」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からディスカションのコメント表示条件の確認

スパムコメントを防ぐため、「コメントの手動承認を必須にする」にチェックを入れるなど、設定を見直してWebサイトの品位を保ちます。

管理者プロフィールの設定

WordPress管理画面の「ユーザー」→「プロフィール」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からユーザーのニックネームとブログ上の表示名

「ブログ上の表示名」を本名からニックネームに変更し、意図せず個人情報が投稿者として公開されるリスクを防ぎます。もちろん、個人名を売り込む場合は話が変わってきます。

サイトヘルスの確認

WordPress管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」

WordPressフルサイト編集マスター講座:管理画面からサイトヘルス

WordPressがサイトの状態を自動で診断してくれます。「良好」と表示されていることを確認し、もし問題が指摘されていれば指示に従って改善しましょう。

5. 環境構築のよくある質問(FAQ)

[Q] ドメインは、サーバーとは別の会社(お名前.comなど)で取得してはダメですか?

[A] もちろん可能ですが、初心者の方には推奨しません。サーバーとドメインの管理会社が異なると、ネームサーバーの設定など専門的な作業が必要になり、トラブルの原因となります。サーバー契約時にセットで取得するのが、管理も費用も最も簡単でお得です。

[Q] インストール後、サイトにアクセスしても「無効なURLです」と表示されます。

[A] 契約直後は、ドメイン情報がインターネット全体に広まる(浸透する)まで、最大で数時間、場合によっては72時間ほどかかることがあります。これは正常な状態ですので、慌てずに少し時間をおいてから再度アクセスしてみてください。

まとめ:完璧なスタートラインに、ようこそ

本当にお疲れ様でした。この記事を通して、Webサイトの「土地」を選び抜き、「住所」を定め、WordPressという「家」を建て、さらにその「初期設備」までを完璧に整えました。

これは、Webサイト運営という長い旅における、最も重要で、最も盤石なスタートラインです。この手順をやり抜いてスタートラインに立つことができれば、技術的な問題で挫折しにくくなるでしょう。

最高の土地に、最高の家を建てる準備が整いました。次回は、いよいよこの講座の核心部、フルサイト編集の心臓部である「サイトエディター」の全貌を解き明かします。Webサイト全体のデザインを自由自在に操るための、パワフルな機能の数々を徹底的に解説していきます。Webサイトに魂を吹き込む、クリエイティブな作業が待っています。どうぞお楽しみに!

芦屋 ときお

芦屋 ときお

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。