WordPressサイト運営において「プラグイン追加後にサイトが遅くなった」「管理画面の反応が悪い」といった問題はありませんか?これらはサーバー移行検討のサインです。本ガイドが、原因解明、サーバー選び、具体的な移行手順、そして高速化の対策まで解説します。

この記事で学べること

この記事を読むことで、以下が可能になります。

  • WordPressの速度低下や管理画面の問題を診断し、サーバー移行の要否を判断する。
  • パフォーマンス問題の根本原因を理解する。
  • 移行先サーバーを選択するための実践的な知識を獲得する。
  • 具体的なサーバー移行手順を実行する。
  • サーバー移行以外のサイト高速化対策を知る。

なぜプラグイン増加でWordPressは重くなるのか?サーバー移行が必要な理由

WordPressサイトの動作速度は、利用しているサーバーの性能に大きく依存します。プラグインが増加すると、サーバーへの要求が増えるためにWebサイトが重くなりますが、主な理由は以下の3点です。

1. サーバー計算リソース(CPU・メモリ)の消費が増大

第1に、各プラグインは、動作のためにサーバーの計算リソース(計算資源)、具体的にはCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)とメモリ(RAM:Random Access Memory)を使います。多くのプラグインを有効化すると、サーバーは同時に多数の計算処理を行う必要が出てきますので、サーバー負荷が大きくなります。サーバーが持つ計算リソースの限界を超えると、リソース不足が発生し、Webサイトがなかなか表示されないなど、重く感じることになります。

2. データベースへの負荷が増大

第2に、WordPressは記事内容や設定情報をデータベース(Database)と呼ばれるシステムに保存しています。多くのプラグインは、データベースへの読み書きを頻繁に行います。プラグインが増えるとデータベースへのアクセスも増加し、これもサーバー負荷を高める要因となります。その結果、情報の取得に時間がかかり、ページの表示速度が悪化することがあります。

3. サーバーエラーの発生リスクが増加

第3に、リソース不足が深刻化した場合や、プラグイン同士が干渉し合う(相性問題が発生する)場合、サーバーは正常な処理を続けられなくなることがあります。その結果、「500 Internal Server Error」といったサーバーエラーが頻繁に表示されるリスクが高まります。これはWebサイト訪問者の利便性を損なうだけでなく、検索エンジンからの評価にも影響を与えかねません。

これらの理由により、プラグインが増えてサイトが重くなった状況は、現在のサーバー環境の能力限界を示している可能性が高いです。したがって、より性能の高いサーバーへの移行(ホスティング乗り換え)が、根本的なWordPress高速化のために必要となります。

WordPressが重い・遅い!サーバー移行を検討すべき具体的な兆候とタイミング

サーバー移行を検討すべき具体的な状況、つまりWebサイトのパフォーマンス低下のサインは以下の通りです。

管理画面の動作遅延

  • 記事の投稿・編集画面の読み込みに時間がかかる。
  • 設定変更やプラグイン更新などの操作が遅く感じる。

これらの遅延は、サーバー側の処理能力不足を反映していることが多いです。

ウェブサイト表示速度の明確な低下

  • 以前と比較して、ページを開くのに時間がかかるようになった。
  • 「Google PageSpeed Insights」のようなパフォーマンス測定ツールでのスコアが著しく低下し、具体的な表示速度改善が求められる状態になっている。

プラグイン関連操作でのエラー発生

  • 新しいプラグインのインストールや既存プラグインの更新時に、エラーメッセージが表示されたり、処理が完了しなかったりする。

これは、サーバーにおいて、要求された処理を実行するためのリソース(メモリなど)が不足している兆候です。

アクセス集中時の応答不能

  • 特定の時間帯やメディア掲載後など、アクセス数が増加した際にWebサイトが表示されなくなったり、エラー画面になったりする。

これは、一時的なサーバー負荷の急増にサーバーが耐えられていないことを示しています。

これらの兆候が複数見られる、あるいは頻繁に発生するようになった場合、サーバー環境の見直し、すなわちホスティング乗り換えを、具体的に検討する適切なタイミングと言えるでしょう。

WordPress移行先:おすすめサーバー種類と比較!プラグインが多くても安心なのは?

ホスティング乗り換えを決めたら、次は移行先のレンタルサーバー選びです。WordPressサイト、特にプラグインが多くサーバー負荷が高くなりがちなサイトに適したサーバーの種類はいくつかあります。

サーバーの種類

共用サーバー(共有ホスティング、Shared Hosting)

1台のサーバーを複数のユーザーで共有するタイプのレンタルサーバーです。安価ですが、他のユーザーの影響を受けやすい場合があります。共用サーバーながら、高性能なプランもあります。

VPS(仮想専用サーバー、Virtual Private Server)

1台のサーバー上に、仮想的に複数の専用サーバー環境を構築するタイプのレンタルサーバーです。共用サーバーより高性能で自由度が高いですが、ある程度のサーバー知識が必要です。

クラウドサーバー(クラウドホスティング、Cloud Hosting)

複数のサーバーリソースを組み合わせて仮想的なサーバーを提供するタイプのレンタルサーバーです。リソースの増減が容易で柔軟性が高いですが、料金体系が従量課金の場合もあります。

マネージドWordPressサーバー(Managed WordPress Hosting)

WordPressの運用に特化し、高速化やセキュリティ対策が施されたレンタルサーバーです。サーバー管理の手間は省けますが、料金は比較的高めです。

専用サーバー(Dedicated Server)

1台の物理サーバーを独占して利用するタイプのレンタルサーバーです。最高性能と自由度を持ちますが、コストが非常に高く、高度な管理知識が必要です。

これらのサーバーは、多くの場合、Google ChromeなどのWebブラウザを通じてサーバー設定を行うための、コントロールパネルと呼ばれる管理画面が提供されています。

各サーバータイプ別:メリット・デメリット・おすすめユーザー

以下の表は、各サーバータイプの特徴をまとめたものです。

サーバータイプメリットデメリットおすすめユーザー
高スペック共用サーバー高性能(NVMeなど)、比較的安価、管理が容易(コントロールパネル含む)、WordPress向け機能が豊富リソースは共有、大規模サイトには不向きな場合があるプラグイン増で重くなったサイト、初心者~中級者向け、コスパと性能を両立したいユーザー
VPS高性能、自由度が高い、コスパが良いサーバー設定・管理知識が必要な場合がある共用サーバーからステップアップしたい、ある程度自分で管理したいユーザー
クラウドサーバー柔軟なリソース変更、スケールしやすい、高性能従量課金はコスト管理に注意、VPS同様に設定知識が必要な場合ありアクセス変動が大きいサイト、将来的な拡張を見込むサイトを運営するユーザー
マネージドWordPressサーバーWordPressに最適化され、高速、簡単運用、手厚いサポート、高セキュリティ料金が高め、サーバー自由度が低い場合があるサーバー管理の手間を省きたい、表示速度改善やセキュリティを特に重視するユーザー
専用サーバー最高性能、最高の自由度、リソース独占コストが非常に高い、高度な管理知識が必須超大規模サイト、特殊な要件があるサイト、セキュリティ要件が非常に厳しいサイトを運営するユーザー

要件に合ったサーバーを見つけよう!おすすめ高スペック共用サーバー

レンタルサーバー代表的なプラン主な特徴・強みvCPU・メモリ・ディスク月額目安(12ヶ月契約時)
エックスサーバー プレミアム高速(NVMe、 KUSANAGI)、安定性、 WordPress簡単移行、利用者多数、サポート充実8コア・12GB・NVMe SSD 600GB(プレミアム)約990円(スタンダード)~
ConoHa WING スタンダード高速(NVMe、 LiteSpeed LSAPI、WEXAL)、使いやすいコントロールパネル、WINGパックでお得、WordPressかんたんセットアップ8コア・12GB・NVMe SSD 400GB(スタンダード)約941円(ベーシック)~
mixhost プレミアム高速(NVMe,
LiteSpeed Cache)、WP Toolkit Deluxe、無料WordPress移行サービス
vCPU・メモリ非公開・NVMe SSD 無制限(スタンダード以上)約495円(ライト)~
※上記は記事執筆時点の目安です。プラン内容・料金は頻繁に変動します。最新情報は必ず各サーバーの公式サイトでご確認ください。また、料金は契約期間により変わります。

プラグインが多いWordPress向けサーバーの選び方:比較ポイントと注意点

サーバーの種類を決めた後、具体的なプランを選ぶ際には、以下の比較ポイントと注意点を考慮しましょう。これにより、将来的なWebサイトのパフォーマンスを確保しやすくなります。

重要スペック:CPUコア数、メモリ容量、ディスク種類(SSD/NVMe)

  • 多くのプラグインを快適に動作させるためには、サーバーのCPUコア数メモリ(RAM)容量に余裕があることが重要です。
  • ディスク(ストレージ)の種類も性能に影響します。従来のHDD(ハードディスクドライブ)よりも高速なSSD(ソリッドステートドライブ)、さらに高速なNVMe(NVM Express)SSDが表示速度の改善に貢献します。スペックが高くなるほど、サーバー負荷への耐性が高くなります。

転送量とネットワーク速度:アクセス数とのバランス

  • Webサイトが月に送受信できるデータ量(月間転送量)の上限を確認します。アクセス数が多いサイトや、画像・動画コンテンツが多いサイトでは、転送量の上限値が高い、または無制限のプランが推奨されます。
  • サーバーが接続されているネットワークの速度も、速い方が快適です。

PHP・データベース性能:WordPress実行速度への影響

  • WordPressが動作するプログラム言語はPHPです。そのため、サーバーがPHPの最新安定バージョンに対応しているか確認しましょう。新しいPHPバージョンは一般的にパフォーマンスが向上しており、WordPress高速化に繋がります。
  • データベース(MySQL/MariaDB)の処理能力も重要です。

料金体系:初期費用・月額費用・将来的なコスト

初期費用、月額費用、契約期間による割引、将来的にプランをアップグレードする場合の費用などを、総合的に評価します。

サポート体制:移行支援の有無、技術サポートの質

  • サーバー移行作業に不安がある場合は、移行代行サービス移行ツールの提供有無を確認します。
  • 問題が発生した時に頼れるサポート体制(対応時間、連絡手段、技術的な質問への対応品質)も重要です。特にWebサイト運営の経験があまりない初心者にとっては、サポートの手厚さが安心材料となります。コントロールパネルの使いやすさも確認するとよいでしょう。

失敗しないサーバー選び!これらのポイントを満たすおすすめサーバーは?

サーバー選びのポイントを踏まえた上で、プラグインが多くなったWordPressサイトにおすすめの、具体的なプラン例です。

速度・安定性を最重視!国内シェアNo.1の安心感

高速化技術と安定性に定評のあるエックスサーバー(プレミアム)がおすすめです。NVMe SSD採用、大量アクセスにも強い設計で、サポートも充実しています。表示速度改善と安定稼働を実現します。

使いやすさとコスパ!WINGパックで長期利用もお得

直感的な管理画面とWordPressかんたん移行が魅力のConoHa WING(スタンダード)。長期利用ならWINGパックで月額料金がお得になります。初心者にも直感的に使えるコントロールパネルも魅力です。

表示速度特化!LiteSpeed採用で高速体験

LiteSpeed Webサーバー採用で、Webサイトの表示速度に強みを持つmixhost(プレミアム)。ディスク容量は無制限で、WordPress高速化に特化した構成が特徴です。

※上記は記事執筆時点の情報に基づく推奨例です。Webサイトの規模や予算、重視するポイントに合わせて、必ず公式サイトで最新情報をご確認の上、比較検討してください。

WordPressサーバー移行の全手順を説明!初心者向けに方法や注意点を解説

移行先サーバーが決まったら、次は実際の移行作業です。ここでは初心者向けに、安全なデータのバックアップや復元を含む移行手順を、ステップごとに解説します。

ステップ1:準備編
失敗しないためのバックアップと移行計画

プラグイン・テーマ・PHPバージョンの互換性確認

移行先サーバーで使用予定のPHPバージョンと、現在利用中のプラグインやテーマに互換性があるかを、事前に確認します。互換性がない場合、移行後にエラーが発生する可能性があります。メジャーバージョンが違う場合、例えばPHP7からPHP8への移行などは、慎重に計画する必要があります。

WordPressファイルとデータベースの完全バックアップ

  • これは移行作業で最も重要なステップです。移行作業の基本は、現在のサイトデータの完全なバックアップを取得し、それを新しいサーバーで正確に復元することです。万が一のトラブルに備え、作業開始前に必ずバックアップをします。
  • ファイルのバックアップ
    FileZillaなどのFTP(File Transfer Protocol)ソフトを使用し、サーバー上にあるWordPress関連の全ファイルを、お使いのパソコンにダウンロードします。
  • データベースのバックアップ
    利用中のサーバーが提供するコントロールパネル内のphpMyAdmin(データベース管理ツール)などを利用し、WordPressが使用しているデータベース全体をエクスポート(通常は.sql形式のファイルとして保存)します。
  • プラグインの利用
    UpdraftPlusなどのバックアップ用プラグインを使えば、ファイルとデータベースのバックアップをまとめて簡単に行えます。こういったプラグインを利用すると、バックアップと復元(リストア)の作業を効率よく行えます。

ステップ2:実行編
新サーバーへのデータ移行(プラグイン利用 vs 手動)

次に、取得したバックアップデータを新しいサーバーへ移行し、サイトを復元します。主な方法として、移行用プラグインを使う方法と、手動で行う方法があります。

移行プラグインを利用する方法

DuplicatorやAll-in-One WP Migrationなどの移行用プラグインは、バックアップと復元のプロセスを大幅に簡略化できるため、初心者向けですし、経験者にとっても、効率よく作業を行える便利なツールです。

基本的な流れ
  1. 現在のWordPressサイトで移行用プラグインを使い、サイト全体のデータパッケージ(インストーラーファイルとアーカイブファイルのセット)を作成し、パソコンにダウンロードします。
  2. 新しいサーバーにWordPressを新規インストールするか、空のディレクトリを用意します。
  3. ダウンロードしたパッケージファイルを新しいサーバーにアップロードします。
  4. Webブラウザからインストーラーファイルにアクセスし、画面の指示に従って復元作業を進めます(新しいデータベースの情報入力などが必要です)。

※プラグインによって使い方が異なりますので、各プラグインのマニュアルをご確認ください。

手動で移行する方法

  1. ファイル転送
    FTPソフトで新しいサーバーに接続し、バックアップしておいたWordPressの全ファイルをアップロードします。
  2. データベース作成
    新しいサーバーのコントロールパネルで、WordPress用の新しいデータベース、データベースユーザー名、パスワードを作成・設定します。これらの情報は後で必要になるため、正確に記録しておきます。
  3. データベースインポート
    新しいサーバーのphpMyAdminなどにアクセスし、先ほど作成したデータベースを選択します。そして、バックアップしておいたデータベースファイル(.sqlファイル)をインポート(復元・リストア)します。

wp-config.phpファイルの編集

  • 手動移行の場合、新しいサーバーにアップロードしたWordPressファイルの中にあるwp-config.phpという重要な設定ファイルを編集する必要があります。
  • このファイル内の以下のデータベース接続情報を、新しいデータベースの情報に書き換えます。
    • DB_NAME:データベース名
    • DB_USER:データベースユーザー名
    • DB_PASSWORD:データベースパスワード
    • DB_HOST:データベースホスト名

ステップ3:確認・切替編
DNS変更と移行後の最終チェック

データ復元が完了したら、最後にドメイン名(例:yourdomain.com)が新しいサーバーを指すように設定を変更し、最終確認を行います。

hostsファイルを用いた事前確認

DNS設定を変更する前に、ご自身のパソコンのhostsファイルを一時的に編集することで、ご自身のパソコンからだけ新しいサーバー上のWebサイトを確認できます。これにより、一般公開前に、表示崩れやエラーがないかを確認でき、、安全です。編集方法はOSによって異なりますので、「hostsファイル 編集 Windows」などで検索します。

DNS(ドメインネームシステム)設定の変更

  • Webサイトのドメインを管理しているサービス(お名前.com、ムームードメインなど)の管理画面にログインします。
  • ドメイン名のDNS(Domain Name System)設定、通常はネームサーバーの情報を、新しいサーバーの情報に変更します。
  • この変更がインターネット全体に行き渡る(浸透する)までには、数時間から72時間程度かかることがあります。浸透期間中は、アクセスするタイミングや場所によって、旧サーバーと新サーバーのどちらが表示されるか不安定になることがあります。

SSL証明書の再設定と常時SSL化の確認

  • SSL(Secure Sockets Layer)証明書は、新サーバーにドメインを登録する際に設定しておくのが通常ですが、DNS設定が浸透してからでも可能です。SSLはWebサイトの通信を暗号化(HTTPS化)するためのものです。多くのレンタルサーバーでは、コントロールパネルから無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)を簡単に設定できます。
  • 設定後、http://yourdomain.comのようにhttpでアクセスしても、自動的にhttps://yourdomain.comに転送(リダイレクト)される(常時SSL化)かどうかを確認します。

最終動作確認チェックリスト

  • Webサイトの各ページ(トップページ、固定ページ、投稿ページなど)が正しく表示され、デザインの崩れがないかを確認します。
  • 記事の投稿・更新、コメント投稿、お問い合わせフォームの送信、プラグインが提供する各種機能などが正常に動作するか、テストします。
  • Webサイト内のリンクをクリックするなどし、リンク切れ(404エラー)がないか確認します。
  • 表示速度改善の効果が実感できるか、またPageSpeed Insightsなどのツールでパフォーマンスが向上しているか、再計測します。

これらの確認項目をすべてクリアできれば、サーバー移行(ホスティング乗り換え)作業は無事完了です。旧サーバーは、新サーバーでサイトが安定稼働していることを十分に確認してから解約手続きを行いましょう。

なお、エックスサーバーには「WordPress簡単移行」機能が、ConoHa WINGには、「WordPressかんたん移行」ツールがあり、手動で行うよりも比較的簡単に移行作業を進められます。さらに、mixhost「無料WordPress移行サービス」を提供しています。

サーバー移行だけじゃない!WordPressが重い時の高速化対策

サーバー移行はWordPress高速化の強力な手段ですが、移行を選択しない場合や、移行後さらにパフォーマンスを追求したい場合にも有効な対策があります。

プラグインの見直し:不要プラグインの整理と軽量な代替案の検討

  • 現在有効化しているプラグインをリストアップし、本当に必要なのかを検討します。使用していないプラグインは停止し、削除します。プラグインの整理が、サーバー負荷を軽減する第一歩です。
  • 類似機能を持つプラグインが複数有効になっていないかを確認します。
  • 同じ機能を提供するプラグインでも、より動作が軽く、効率的に作られている、すなわちサーバー負荷が少ない代替プラグインが存在する場合、乗り換えを検討する価値があります。

コンテンツの最適化:画像圧縮と遅延読み込み

  • Webページの読み込み時間、特に画像ファイルは、Webサイトが重くなる大きな要因となります。EWWW Image Optimizerなどのプラグインを利用して画像を圧縮(ファイルサイズを小さく)したり、WebPなどの次世代フォーマットを利用したりします。これは、表示速度改善に直接繋がります。
  • 遅延読み込み(Lazy Load)は、訪問者の画面に表示される範囲の画像だけを最初に読み込み、スクロールに応じて後から読み込む技術です。初期表示速度の改善に効果的です。

キャッシュ技術の活用:ブラウザキャッシュとサーバーキャッシュ

  • キャッシュとは、一度アクセスしたWebページのデータを一時的に保存しておく仕組みです。W3 Total CacheやWP Super Cacheといったキャッシュプラグインを活用すると、Webサイトへの訪問者が再度同じページにアクセスした際の表示を高速化できます。これはサーバー負荷軽減にも貢献します。
  • 利用中のサーバーが提供しているサーバーサイドキャッシュ機能(Nginxリバースプロキシキャッシュ、LiteSpeed Cacheなど)も有効活用できます。

CDNの導入

CDN(Content Delivery Network、コンテンツデリバリーネットワーク)は、Webサイトの画像やCSS、JavaScriptといった静的コンテンツを、世界中に分散配置されたサーバー群にコピーし、訪問者に最も近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。これにより、オリジンサーバー(元のサーバー)のサーバー負荷を軽減し、特に海外からのアクセスに対する表示速度改善に効果があります。Cloudflareなどが有名なCDNサービスです。地理的な表示速度のばらつきを抑える効果も期待できます。

データベースの最適化

WordPressを長期間運用していると、データベース内には不要になったデータ(記事の古いリビジョン、スパムコメント、一時保存データなど)が蓄積されていきます。これらを定期的に削除したり、データベースのテーブル構造を最適化したりすることも、WordPress高速化に有効な手段です。WP-Optimizeのような専用プラグインを使えば、初心者でも比較的安全にデータベース最適化を実行できます。

PHPバージョンのアップデート

WordPressが動作する基盤のPHPは、新しいバージョンであればあるほど、パフォーマンスが改善される傾向があります。古いPHPバージョンを利用している場合は、利用サーバーが対応している最新の安定版PHPにアップデートするだけで、Webサイトのパフォーマンスが向上することがあります。多くの場合、サーバーのコントロールパネルから簡単にバージョンを変更できます。ただし、大きくカスタマイズしているなどして、PHPのアップデートで動作に不具合が出る場合もありますので、慎重な対応が必要です。

これらの対策を適切に組み合わせることで、より高いレベルのWebサイトのパフォーマンス表示速度改善を目指すことができます。

まとめ:プラグインが増えても快適なWordPressへ!最適なサーバー移行と高速化を実現

WordPressサイトでプラグインが増加し、動作が重くなる問題は、多くのサイト運営者が直面する課題です。その主な原因はサーバー負荷の増大とリソース不足にあり、サーバー移行(ホスティング乗り換え)はWordPress高速化のための強力な解決策となります。

この記事で解説した移行を検討すべき兆候を見逃さず、サーバーの種類と選び方のポイントを理解し、最適なサーバー環境を選びます。そして、バックアップと復元を含む正しい手順で移行作業を行えば、多くの場合、顕著な表示速度改善Webサイトのパフォーマンス向上が期待できます。

この初心者向けのガイドを参考に、サーバー環境を見直し、パフォーマンスの問題を解決して、より快適で高速なWordPressサイト運営を実現してください。

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速度・安定性を最重視!国内シェアNo.1の安心感

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直感的な管理画面とWordPressかんたん移行が魅力のConoHa WING(スタンダード)は、長期利用ならWINGパックで月額料金がお得になります。初心者にも直感的に使えるコントロールパネルも魅力です。

表示速度特化!LiteSpeed採用で高速体験

LiteSpeed Webサーバー採用で、Webサイトの表示速度に強みを持つmixhost(プレミアム)は、ディスク容量無制限で、WordPress高速化に特化した構成が特徴です。

※上記は記事執筆時点の情報に基づく推奨例です。Webサイトの規模や予算、重視するポイントに合わせて、必ず公式サイトで最新情報をご確認の上、比較検討してください。

芦屋 ときお

芦屋 ときお

ソフトウェアエンジニア(フルスタック、主にWeb系)。HTML, CSS, JavaScript, TypeScript, PHP, Python, Go, Vue.js, Express, Node.js, Nuxt, Next.js, Laravelなど。C#, ActionScriptも。デザイン、デジタルマーケティング。